やっぱり…キスだけでは終われない

「カナ!ど、どういうことだ?!」

電話の相手が分かっているからか、隣にいるアヤちゃんはニコニコしているが、反対にどう答えたらいいか分からない私は固まってしまう。

「カナ…。聞こえてる?聞こえていたら返事して…」

先ほどまでの勢いがなくなり、不安げな声が聞こえた。

「…あ、あの…まだお友だちと一緒ですよね?なんで電話をかけてきたんですか?」

「なんでって…彩未さんから修一に『明日、式場からカナを連れ出してきて』なんてメッセージが届いた、って聞いて…。カナ…俺との結婚が嫌になったのか?まさか…俺のこと嫌いになったなんてことはないよな?」

「……あ……。えっと……」

「カナ。頼む…そんなこと言わないでくれ…」

切なげで苦しそうな声に聞こえた。
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