そのままの君が好きだよ
6.嫌なわけがありません
「夜会のパートナー……ですか?」
「うん。ディアーナにお願いしたいと思って」
それは、ロサリア様がクラスメイトになって、数日後のことだった。サムエレ殿下はそっと首を傾げつつ、わたくしのことを見つめている。
「――――本当に、わたくしで良いのですか?」
サムエレ殿下のパートナーになりたい令嬢は幾らでもいる。十四歳でわたくしという婚約者ができたジャンルカ殿下と違って、彼には未だ婚約者がいない。そのやんごとなき身分もさることながら、神に愛された美しい顔、恵まれた体躯、文武両道で、尚且つ穏やかで優しい気性を持った彼は、令嬢たちの憧れの的だった。
「もちろん。ディアーナが良いからお願いしているんだよ」
そう言ってサムエレ殿下はクスクス笑う。胸のあたりがむず痒い。頬が自然と熱を帯びた。
これまで夜会には、ジャンルカ殿下と一緒に出席していた。婚約者だったのだから当たり前だけど、思えば殿下はわたくしを誘う度、嫌そうな表情をしていた気がする。
(サムエレ殿下がわたくしを誘ってくださるなんて……)
何だかとてつもなく嬉しい。ついついにやけそうになる頬を押さえつつ、わたくしはサムエレ殿下をそっと覗き見た。
「うん。ディアーナにお願いしたいと思って」
それは、ロサリア様がクラスメイトになって、数日後のことだった。サムエレ殿下はそっと首を傾げつつ、わたくしのことを見つめている。
「――――本当に、わたくしで良いのですか?」
サムエレ殿下のパートナーになりたい令嬢は幾らでもいる。十四歳でわたくしという婚約者ができたジャンルカ殿下と違って、彼には未だ婚約者がいない。そのやんごとなき身分もさることながら、神に愛された美しい顔、恵まれた体躯、文武両道で、尚且つ穏やかで優しい気性を持った彼は、令嬢たちの憧れの的だった。
「もちろん。ディアーナが良いからお願いしているんだよ」
そう言ってサムエレ殿下はクスクス笑う。胸のあたりがむず痒い。頬が自然と熱を帯びた。
これまで夜会には、ジャンルカ殿下と一緒に出席していた。婚約者だったのだから当たり前だけど、思えば殿下はわたくしを誘う度、嫌そうな表情をしていた気がする。
(サムエレ殿下がわたくしを誘ってくださるなんて……)
何だかとてつもなく嬉しい。ついついにやけそうになる頬を押さえつつ、わたくしはサムエレ殿下をそっと覗き見た。