そのままの君が好きだよ
「実は俺、父上に許可を貰ったんだ」
サムエレ様が頭上で微笑む気配がして、わたくしはそっと顔を上げた。彼はわたくしのことをまじまじと見つめ、大きく息を吸う。何となく緊張が走って、わたくしは居住まいを正した。
「俺が兄上に代わって王太子になったら――――妃には新しい聖女ではなく、誰よりも素晴らしい最愛の人を迎えたい――――そう願い出た」
サムエレ様はそう言って、穏やかに目を細める。その途端、胸が感動に打ち震え、涙が零れ落ちた。
「俺はそのままの君が好きだよ」
左手がそっと握られ、薬指を冷やりとした何かが通る。見ればそこには、白く輝く宝石が光り輝いていた。
「誰よりも頑張り屋で、意地っ張りな所も。真面目で、素直で、その分傷つきやすくて……少しだけ涙脆い所も。全部、全部好きだ。
これからずっと、俺が君を守っていくから――――」
そう言ってサムエレ様は微笑む。幸せを凝縮したみたいな温かな笑顔に、わたくしの胸は熱くなる。サムエレ様の手を強く握り返すと、彼は感慨深げに目を細めた。
「ディアーナ……俺と結婚してくれませんか?」
その瞬間、夜空に星が流れ、月明かりがわたくし達を優しく照らした。
嬉しくて、幸せで。
わたくしはそっと背伸びをして、サムエレ様の頬に唇を寄せる。時間にしてほんの一瞬。けれど、サムエレ様は驚きつつも、とても嬉しそうに瞳を輝かせている。
「はい……喜んで!」
わたくしはそう口にして、彼と同じ満面の笑みを浮かべたのだった。
サムエレ様が頭上で微笑む気配がして、わたくしはそっと顔を上げた。彼はわたくしのことをまじまじと見つめ、大きく息を吸う。何となく緊張が走って、わたくしは居住まいを正した。
「俺が兄上に代わって王太子になったら――――妃には新しい聖女ではなく、誰よりも素晴らしい最愛の人を迎えたい――――そう願い出た」
サムエレ様はそう言って、穏やかに目を細める。その途端、胸が感動に打ち震え、涙が零れ落ちた。
「俺はそのままの君が好きだよ」
左手がそっと握られ、薬指を冷やりとした何かが通る。見ればそこには、白く輝く宝石が光り輝いていた。
「誰よりも頑張り屋で、意地っ張りな所も。真面目で、素直で、その分傷つきやすくて……少しだけ涙脆い所も。全部、全部好きだ。
これからずっと、俺が君を守っていくから――――」
そう言ってサムエレ様は微笑む。幸せを凝縮したみたいな温かな笑顔に、わたくしの胸は熱くなる。サムエレ様の手を強く握り返すと、彼は感慨深げに目を細めた。
「ディアーナ……俺と結婚してくれませんか?」
その瞬間、夜空に星が流れ、月明かりがわたくし達を優しく照らした。
嬉しくて、幸せで。
わたくしはそっと背伸びをして、サムエレ様の頬に唇を寄せる。時間にしてほんの一瞬。けれど、サムエレ様は驚きつつも、とても嬉しそうに瞳を輝かせている。
「はい……喜んで!」
わたくしはそう口にして、彼と同じ満面の笑みを浮かべたのだった。