色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ
別に送ってもらう必要はなかったのだけれど。
私と太陽様は黙って馬車乗り場まで歩いて。
一言も発しないまま馬車の中で過ごした。
久しぶりに会う太陽様は、更にマッチョになっているような気がした。
沈黙が怖い…
「あの、さっきの方のこと…陛下ってお呼びしてました?」
「それは、秘密です」
「は?」
太陽様は睨みつける。
怖い・・・
「あの人の存在は秘密なんです」
太陽様は窓の外を眺める。
それって、さっきの人物が国王だって認めていることになるじゃん!!
国王っていうとオッサンのイメージだけど、随分と若い。
何より、見た目は完全にティルレット人ではない…
色々と聴きたいことはあったけれど。
太陽様が怒っているのがわかったので、話しかけることが出来なかった。
馬車が家の前で止まって、降りると。
すぐさま、家のドアが開いて、バニラが出てきた。
「お帰りなさいませー、セシルさ…ま?」
バニラが私の後ろに立っている太陽様を見て、酷く驚いている。
だが、バニラ以上に驚いて目を見開いているのは太陽様だった。
「シナモンさんじゃないっすか、何で、こんなとこにいるんすか?」
髪の毛の色と瞳の色が変わったとはいえ、バニラの見た目は以前のシナモンと変わっていない。
やっば…と思ったけど、バニラは「はあ?」と口に出した。
「私はシナモンじゃありません。バニラといいます」
「えっ…バニラさん?」
バニラの落ち着いた対応に、太陽様はうろたえる。
「シナモンは、私の姉です」
えー・・・
心の中で、絶叫する。
真顔でよくもそんな嘘がつけるよねえ。
私と太陽様は黙って馬車乗り場まで歩いて。
一言も発しないまま馬車の中で過ごした。
久しぶりに会う太陽様は、更にマッチョになっているような気がした。
沈黙が怖い…
「あの、さっきの方のこと…陛下ってお呼びしてました?」
「それは、秘密です」
「は?」
太陽様は睨みつける。
怖い・・・
「あの人の存在は秘密なんです」
太陽様は窓の外を眺める。
それって、さっきの人物が国王だって認めていることになるじゃん!!
国王っていうとオッサンのイメージだけど、随分と若い。
何より、見た目は完全にティルレット人ではない…
色々と聴きたいことはあったけれど。
太陽様が怒っているのがわかったので、話しかけることが出来なかった。
馬車が家の前で止まって、降りると。
すぐさま、家のドアが開いて、バニラが出てきた。
「お帰りなさいませー、セシルさ…ま?」
バニラが私の後ろに立っている太陽様を見て、酷く驚いている。
だが、バニラ以上に驚いて目を見開いているのは太陽様だった。
「シナモンさんじゃないっすか、何で、こんなとこにいるんすか?」
髪の毛の色と瞳の色が変わったとはいえ、バニラの見た目は以前のシナモンと変わっていない。
やっば…と思ったけど、バニラは「はあ?」と口に出した。
「私はシナモンじゃありません。バニラといいます」
「えっ…バニラさん?」
バニラの落ち着いた対応に、太陽様はうろたえる。
「シナモンは、私の姉です」
えー・・・
心の中で、絶叫する。
真顔でよくもそんな嘘がつけるよねえ。