色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ
「君を薔薇園に招待しよう」
比較するのは良くないって言われるけど。
スズランとルピナス・・・2人の能力の差は日々離れていく。
将来、2人とも音楽の仕事に携わることはないのだと思う。
きっと、趣味の一つにと考えてピアノを習わせている。
スズランは努力型、ルピナスは天才型だと気づくのに時間はかからない。
スズランは少しでも注意すると「いやー」と叫んで出て行ってしまう。
だから、ひたすら褒めまくるしかない。
ルピナスといえば、未だに喋ったことがない。
ルピナスに話しかけると、代わりにカレン様が答えるという図が出来上がっていた。
ルピナスの表情から喜怒哀楽が読み取れないので、さっぱりわからない。
ただ、言われたことを実行する男の子・・・
教える時間が重なるほど、モヤモヤするのはなんでだろう。
「先生、それではごきげんよう」
カレン様の挨拶に「ごきげんよう」と言って頭を下げる。
カレン様とルピナス、侍女の3人が見えなくなるまで見送って。
帰り支度を始める。
初めて来た頃は、この講堂は居心地良いなと思っていたけど。
騎士団の人に出くわすと色々と面倒だということがわかったので、さっさと帰ろうと思った。
カバンを手に取って。
外に出ると、何故か壁があった。
見上げると、制服を着た背の高い男がずしーんと仁王立ちしている。
どれだけ背が高いのだろう?
見上げると、スキンヘッドの頭にサングラスをかけた怖そうな騎士団の男だ。
男は何をするわけでもなく、立っている。
また、私は不審者と思われているのだろうか。
「アハハハハ」
笑い声がして、声の方を見るといつぞやの陛下が笑って立っている。
「やっぱり、メグミの外見の怖さは誰が見ても一緒ってことかあ」
「めぐみ?」
この熊のようにイカつい男がメグミ!?
「おい、下がっていいぞ」
陛下はサングラスをかけているので表情は読み取れないけれど。
多分、笑顔ではなく冷たい声で言った。
「御意」
メグミと呼ばれる男性はジャンプしたかと思うと。
一瞬で目の前から姿を消した。
陛下はサングラスを取ると、にっこりと笑ってこっちに近づいてくる。
「君を薔薇園に招待しよう」
「へ?」
スズランとルピナス・・・2人の能力の差は日々離れていく。
将来、2人とも音楽の仕事に携わることはないのだと思う。
きっと、趣味の一つにと考えてピアノを習わせている。
スズランは努力型、ルピナスは天才型だと気づくのに時間はかからない。
スズランは少しでも注意すると「いやー」と叫んで出て行ってしまう。
だから、ひたすら褒めまくるしかない。
ルピナスといえば、未だに喋ったことがない。
ルピナスに話しかけると、代わりにカレン様が答えるという図が出来上がっていた。
ルピナスの表情から喜怒哀楽が読み取れないので、さっぱりわからない。
ただ、言われたことを実行する男の子・・・
教える時間が重なるほど、モヤモヤするのはなんでだろう。
「先生、それではごきげんよう」
カレン様の挨拶に「ごきげんよう」と言って頭を下げる。
カレン様とルピナス、侍女の3人が見えなくなるまで見送って。
帰り支度を始める。
初めて来た頃は、この講堂は居心地良いなと思っていたけど。
騎士団の人に出くわすと色々と面倒だということがわかったので、さっさと帰ろうと思った。
カバンを手に取って。
外に出ると、何故か壁があった。
見上げると、制服を着た背の高い男がずしーんと仁王立ちしている。
どれだけ背が高いのだろう?
見上げると、スキンヘッドの頭にサングラスをかけた怖そうな騎士団の男だ。
男は何をするわけでもなく、立っている。
また、私は不審者と思われているのだろうか。
「アハハハハ」
笑い声がして、声の方を見るといつぞやの陛下が笑って立っている。
「やっぱり、メグミの外見の怖さは誰が見ても一緒ってことかあ」
「めぐみ?」
この熊のようにイカつい男がメグミ!?
「おい、下がっていいぞ」
陛下はサングラスをかけているので表情は読み取れないけれど。
多分、笑顔ではなく冷たい声で言った。
「御意」
メグミと呼ばれる男性はジャンプしたかと思うと。
一瞬で目の前から姿を消した。
陛下はサングラスを取ると、にっこりと笑ってこっちに近づいてくる。
「君を薔薇園に招待しよう」
「へ?」