色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ
カスミさんの言葉に、思わず「大嫌い!」と言いたくなった。
もう、話したくもない。
こんな大きな屋敷なのだから泊めてくれてもいいのに。
私とバニラは、カスミさんをじっと見た後。
無言で、その場を離れた。
屋敷を離れて、ぐしゃりとしゃがみ込んだ。
足が、限界だった。
もう、夕暮れで夜がやって来る。
「キャンプファイヤーするしかないねえ」
と力なくバニラに言った。
バニラは無表情だった。
我慢していた涙が溢れるように出てきた。
皆、酷い。
「私が何をしたっていうの?」
両手で顔を覆った。
ドロドロとした感情はマグマのように、一気に噴き出てくる。
生まれたときから、両親を失望させてきた。
魔法が使えない。スペックだってピアノというあまりにも特殊すぎる能力で。
ずっと、家族は私に無関心だった。
身分の高い人間と結婚出来れば、私の人生は最高になれると信じていた。
どこで、狂ったんだろう。
この国に来て別人として生きても。
自分として生きたとしても、何をやっても。
どこへ行っても上手くいくわけじゃない。
ぐずぐず泣きながら立ち上がると。
バンッと何かがブツかってきた。
ブツかってきたモノを見ると。
カスミさんの屋敷で働く男の子だった。
男の子はランタン片手に、私の服をぐいぐいと引っ張った。
「マヒル様、ついてこいって言っているようですわ」
「……」
ずずっと鼻をすすって、男の子に言われるがままついて行く。
もう、話したくもない。
こんな大きな屋敷なのだから泊めてくれてもいいのに。
私とバニラは、カスミさんをじっと見た後。
無言で、その場を離れた。
屋敷を離れて、ぐしゃりとしゃがみ込んだ。
足が、限界だった。
もう、夕暮れで夜がやって来る。
「キャンプファイヤーするしかないねえ」
と力なくバニラに言った。
バニラは無表情だった。
我慢していた涙が溢れるように出てきた。
皆、酷い。
「私が何をしたっていうの?」
両手で顔を覆った。
ドロドロとした感情はマグマのように、一気に噴き出てくる。
生まれたときから、両親を失望させてきた。
魔法が使えない。スペックだってピアノというあまりにも特殊すぎる能力で。
ずっと、家族は私に無関心だった。
身分の高い人間と結婚出来れば、私の人生は最高になれると信じていた。
どこで、狂ったんだろう。
この国に来て別人として生きても。
自分として生きたとしても、何をやっても。
どこへ行っても上手くいくわけじゃない。
ぐずぐず泣きながら立ち上がると。
バンッと何かがブツかってきた。
ブツかってきたモノを見ると。
カスミさんの屋敷で働く男の子だった。
男の子はランタン片手に、私の服をぐいぐいと引っ張った。
「マヒル様、ついてこいって言っているようですわ」
「……」
ずずっと鼻をすすって、男の子に言われるがままついて行く。