色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅲ
ダメモトで言ったつもりだったけど。
「あの人しかいない!」と男の子たちは叫んで、走ってどこかへ行ってしまう。
暫く待っていると、騎士団の男性が2人やって来たので「ええ!?」と叫んだ。
職人さんか、村人の方を呼んできてくれるのかと思ったのに。
まさかの騎士…
「なるほど。この人が国王のお気に入り」
20代真ん中だろうか、チャラい感じがやたらと目につく。
赤髪に緑色の瞳、背は高く見るからにお喋りそうな男。
「おい、ジョイ。この人達に関わるなよ」
と、うんざりした顔でたしなめるのは、中性的な顔立ちをしている男。
「しっかし、こんなボロ家にお姫様住まそうだなんて、蘭様もすっげえなあ」
ジョイ…と呼ばれる男性はとことんマイペースだ。
「今朝、蘭様から騎士団全体に通達があって、太陽夫人が困っていても一切手を貸すなと命令されてる。だから、周りを頼ったところで誰も助けてくれない」
冷ややかな声で言われた。
頭の中でピキピキと音がしたけれど。
怒るだけ無駄なのはわかっている。
「私は手を貸してくださいとは言っていません。知識がないので、この家をどうすればいいのかアドバイスが欲しいだけです」
作り笑顔をすると、ジョイさんが「ひゃひゃひゃ」と声を出して笑った。
「さすが、国王のお気に入りだなあ。マリアちゃん、姫君にカリカリしちゃ駄目っしょ」
マリアちゃん…。
チラリと男性の顔を見ると、「あのなあ…」とジョイさんを見る。
「俺達は騎士団だろ。上の命令には背けない」
「まあまあ。ちょっとくらい助言してやってもいいっしょ。それに国王の寵姫だよ? 国王が戻って来たときに、ご褒美もらえるかもしれないっしょ。いつまでも門番だのパトロールだのなんてやってられる?」
ジョイさんの言葉に、「うっ」とマリアさんは声を詰まらせた。
「あの人しかいない!」と男の子たちは叫んで、走ってどこかへ行ってしまう。
暫く待っていると、騎士団の男性が2人やって来たので「ええ!?」と叫んだ。
職人さんか、村人の方を呼んできてくれるのかと思ったのに。
まさかの騎士…
「なるほど。この人が国王のお気に入り」
20代真ん中だろうか、チャラい感じがやたらと目につく。
赤髪に緑色の瞳、背は高く見るからにお喋りそうな男。
「おい、ジョイ。この人達に関わるなよ」
と、うんざりした顔でたしなめるのは、中性的な顔立ちをしている男。
「しっかし、こんなボロ家にお姫様住まそうだなんて、蘭様もすっげえなあ」
ジョイ…と呼ばれる男性はとことんマイペースだ。
「今朝、蘭様から騎士団全体に通達があって、太陽夫人が困っていても一切手を貸すなと命令されてる。だから、周りを頼ったところで誰も助けてくれない」
冷ややかな声で言われた。
頭の中でピキピキと音がしたけれど。
怒るだけ無駄なのはわかっている。
「私は手を貸してくださいとは言っていません。知識がないので、この家をどうすればいいのかアドバイスが欲しいだけです」
作り笑顔をすると、ジョイさんが「ひゃひゃひゃ」と声を出して笑った。
「さすが、国王のお気に入りだなあ。マリアちゃん、姫君にカリカリしちゃ駄目っしょ」
マリアちゃん…。
チラリと男性の顔を見ると、「あのなあ…」とジョイさんを見る。
「俺達は騎士団だろ。上の命令には背けない」
「まあまあ。ちょっとくらい助言してやってもいいっしょ。それに国王の寵姫だよ? 国王が戻って来たときに、ご褒美もらえるかもしれないっしょ。いつまでも門番だのパトロールだのなんてやってられる?」
ジョイさんの言葉に、「うっ」とマリアさんは声を詰まらせた。