Restart〜二度目の恋もきみと
竜海さんの仕事が終わるまであそこで
待っていよう．．．

私はそう思って一歩足を踏み出した時
「上杉さん？」
後ろから誰かの声が聞こえてピクッと肩を震わせた。

私が振り返るとそこに立っていたのは
秘書の松谷さんだった。

「あっ、松谷さん、ご無沙汰しております。」

私は咄嗟に頭を下げた。

「ここで何をしているんですか？」

松谷さんは怪訝な表情で私に問いかけてくる。

「あ、あの．．．」

私は竜海さんと松谷さんがホテルから出る
写真を思い出してなんて答えたら良いか言葉を詰まらせた。

するとウジウジと黙り込んだ私に
苛々した様子で松谷さんは口を開いた。

「昼間、急に専務は大事な取引先との昼食会を放り出してどこかに行かれたんですけど、それはあなたが原因なんじゃないんですか？」

松谷さんの言葉に私は「えっ．．．」と呟くと思い当たる節に顔を青くした。

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