Restart〜二度目の恋もきみと
その瞬間、桜良は耳を押さえて
キャアアァァァと叫び声をあげると
その場に蹲った。

「おいっ?!桜良っ!!」

びっくりした俺は
すぐさま車から降りると
桜良の元に駆け寄った。

「桜良っ?!大丈夫かっ??
俺だ。竜海だ!!」

俺は小さく蹲ったまま、
その場で震えている桜良に
声を掛ける。

「たつみ..さん...?」

俺の声に縮こまっていた桜良が
漸く顔を上げた。

桜良は声の主が俺だと認識すると
ホッとしたように瞳からポロポロと
大粒の涙が溢れ出した。

「竜海さんっ...」

「大丈夫か?何があったんだ?」

俺は桜良を落ち着かせるように
背中を擦りながら問いかける。

しかし、まだ震えが止まらない桜良は
泣くばかりで言葉を発することができない。

「取り敢えず、車に乗って」

俺は桜良を立ち上がらせると
自分の車の助手席に桜良を座らせて
自分は運転席に乗り込んだ。
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