Restart〜二度目の恋もきみと
Side竜海

俺は早めに仕事を終わらせると、
指定された待ち合わせ場所のもつ鍋屋に足を踏み入れた。

もつ鍋屋といっても洒落た雰囲気で
女性客も多かった。

「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」

暖簾をくぐると若い女性の店員さんにすぐさま声をかけられた。

「いえ、鳴沢という名前で2名で予約を入れていたと思うんですが..」

「あッ、鳴沢様ですね。お連れ様は先にいらしてますのでお席にご案内しますね」

俺は笑顔で席を案内してくれる店員さんの後に続いた。

「こちらの席でございます」

俺が案内された半個室の暖簾をくぐると
「おおっ、竜海つ!
お疲れ!!」
もうすでにお酒が入ってテンション高めの東吾がビールジョッキを片手に出迎えた。

「悪い!待たせたか?」

俺は東吾の向かいの席に腰を下ろしながら問いかけた。

「いや、俺も今来たとこっ. . .て、
なんかこのやり取り恋人みたいで気持ち悪いな」

東吾は苦笑いしながら、ビールを煽った。

「気持ち悪いって失礼なやつだな」

俺は眉を潜めながら、出されたおしぼりで
手を拭いた。

「どうせなら、可愛い女の子とこのやり取りしたいよな」

「悪かったな。可愛くないおっさんで」

俺が不貞腐れたように言うと、東吾はヒャっヒャと嬉しげに笑った。

このテンションの高さはもう何杯飲んだんだ?

ハイテンションについていけない素面の俺は
一層眉を潜めていると、
「ご注文お決まりなら、お伺いしますが」
女性の店員さんが会話に割って入った。

「あッ、はい。すみません。
じゃあ、俺もビールで..それと...」

俺は適当におつまみとメインのもつ鍋を注文すると
店員さんは「畏まりました」と奥へと引っ込んでいった。
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