Restart〜二度目の恋もきみと
「それで、なんか情報つかめたのか?」

俺は店員が去ったのを確認すると
早速、話を切り出した。

「え~、折角鍋食べに来たんだから
食べてからにしようぜ」

しかし、東吾は急かしてくる俺に
勿体つけるように俺の話を切ると、ビールを煽った。

昨夜、東吾から犯人が分かったと連絡が
来てから俺は早くその話を聞きたくて急いで仕事を終わらせてきたのだ。

しかし、女の子を紹介するという交換条件があるとはいえ、忙しい仕事の合間をぬって調べてもらったのだ。
勿体つけてないで早く教えろなんて言えるはずもなく、俺は渋々料理が到着するのを待った。

「お待たせしました~」

店員さんが鍋のコンロに火をつけて
野菜がグツグツと煮立っている間も
俺は犯人の情報を早く教えてほしくてウズウズしていた。

「うわ~、うまそう」

東吾は出来立ての鍋の具をお玉で
お皿によそおうと「いっただきま~す。あつッ」とハフハフと熱そうに頬張りながら満足そうに頬を緩めている。
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