Restart〜二度目の恋もきみと
しかし、不服そうにその様子を見つめる俺に
気づいて「分かった分かった。食いながら話すからお前も食べろよ」
東吾は苦笑いしながら俺のお皿を取ると鍋の具をよそった。

「すまない。早く桜良を安心させてやりたいんだ」

折角、久しぶりに二人で飲むというのに、
東吾には申し訳ないが俺の頭の中は
早くこの問題を解決させたい気持ちでいっぱいなのだ。


そんな俺の心情を察したのか、東吾はフッと少し呆れたように笑みを溢すと
本題を切り出した。

「こいつが竜海の奥さんをつけてた犯人だ」

そう言って、東吾はスーツの内ポケットから
2枚の写真を取り出すと俺の前に差し出した。

俺はその写真を受け取って食い入るように眺めた。

一枚目はその犯人の男の少しアップで取られている写真だった。

30代半ばだろうか、少し色白で体格はそこまで大きくなく
目は虚ろで少しヒョロヒョロっとした貧弱そうな男性だった。

一枚目をめくって二枚目の写真を見ると
その男と松谷がバーで二人きりで飲んでいる写真だった。

「宇佐美赤人、36歳。
竜海の予想通り、その秘書の子はその男と繋がってるみたいだよ。」

やはりストーカー男を裏で操っていたのは松谷か。

疑惑が確信へと変わり、俺は腹ただしさに
奥歯をギリッと噛み締めた。
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