Restart〜二度目の恋もきみと
俺が写真の中の松谷を睨んでいると
東吾は俺が持つ写真を覗き込みながら
「可愛い顔して、女って怖いよね~」
と、恐怖に顔を歪ませた。

「女が皆こんなやつじゃない。」

俺は東吾のいう女と桜良を一括りにされたように感じてムッと不機嫌に表情を歪ませた。


「悪い悪い。奥さんはそんな女じゃないんだもんね~」

東吾はからかうように言ってきて
俺は益々不愉快に顔をしかめた。

「でも、その秘書の女も怖いっちゃ、怖いんだけど...
俺としてはそっちの男の方が怖いんだよね...」

「えっ...?どういう意味だ?」

いつにない東吾のこわばった表情に
俺は眉を潜めた。

「俺の知り合いに探偵事務所で働いてるやつがいるって言っただろ?
そいつに調べてもらってたんだけど、その写真の、宇佐美(うさみ)って男、探偵業界隈じゃ有名らしいんだ。」

「有名?」

「ああ。でも有名って言っても悪いうわさで有名なんだけど...
その宇佐美って男、去年まで小さな探偵事務所で働いていたんらしいんだけど...客とトラブってその探偵事務所をクビになってるんだ。
しかも、その前の会社でもクビになってるから、懲戒解雇くらったのそれで二度目らしい。」

「二度目って...そいつ何をやらかしたんだよ」

懲戒解雇なんて、余程の理由がなければ処分を下すことはできないはずだ。


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