魔王様に溺愛されています
 「その本は?」

 「魔法の本、探していて…」

 「そうか…じゃあ、今日は魔物とは、遊ばない?」

 クエル様は、寂しそうに聞いてきた。私、その顔に弱いんだ。

 「いや…気晴らしに行く」

 クエル様と泉へと向かう。

 「みんな、遊ぼう」

 …リーシアだ…

 …クエル様もいる…

 魔物たちの声も聞こえるようになったんだよな。

 「…なぁ、リーシア…」

 「どうしたの?」

 「ここに来れるの、最後なんだ」

 「なんで?」

 「お父様が、病気なんだ…だから」
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