魔王様に溺愛されています
 「図書室…ここが…」

 「うれしそうだね」

 「魔法本が読みたいんです」

 「魔力がなくても?」

 「はい。学院には、魔力なしでの魔法が使える方法の本があると聞いたので…」

 「なるほど…僕も探そう」

 クエルは本棚の本を探してくれる。

 「…、…」

 ないか、やっぱり…

 「もうすぐ、時間だな」

 「あっ、ごめんなさい。これ片付けてきます」

 私はあわてて、本をもとの位置に戻す。

 「寮まで送るよ」

 「場所は聞いているので、そこまでしていただくても…」

 「ん?」

 …拒否権はないみたい

 「お願いします」

 クエルはすごく笑顔で、私の隣を歩く。
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