魔王様に溺愛されています
 「…、…」

 あっ、この人…今、私が会ってはいけない。この人は、ミシェルと結ばれるはずの人…

 私は、後ずさる…何かにつまずき、後ろに倒れてしまう。

 「うわっ…」

 「誰だ!」

 やばい…逃げないと…でも、倒れる!

 そう思った瞬間、身体が宙に浮いた。

 「あれ?こけてないし、浮いてる…」

 歩いて近づいてくる。男の人を私は、知っている。

 「君は、魔法を知らないのか?」

 「知っています!おろしていただけませんか?」

 「…どうしようか?」

 どうしようかじゃない、降ろしてよ!散歩なんてしなきゃよかった。
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