魔王様に溺愛されています
 「ねぇ、奥いって、大丈夫ですか?」

 「大丈夫だよ」

 「…、…」

 そんな会話をしていた方たちが黙る。

 私も驚いて声が出ない…そこには、大きな門があった。

 黒い霧?みたいなのが扉を覆ってる…

 「ここ、危険だと思うんですけど…戻りません?」

 『…、…』

 黒い霧が、一人にまとわりついてる…どうする…

 (リーシア様…ここは危険です!)

 「…君たち、その子から離れて!」

 私は声を上げた。すると、私がいることに驚いた顔をした後に、はっとしたように走ってその場から離れた。

 『…、オマエ、ニンゲン?』

 (ニンゲン、ニクイ)

 (ボクタチヲ、リヨウシタ…)

 (クルシイ、コワイ…)

 何、この声…頭に直接聞こえる…飲み込まれる。
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