魔王様に溺愛されています
 あぁ、これは、母様と誰かが喋っている記憶だ…この先は覚えている…村が燃やされ…母様は…

 「人間が憎いだろう…さぁ、落ちておいで…」

 私は、村を燃やした人たちを…

 (リーシア様!追いついた…光よ!)

 叫ぶ声とともに、目の前が光に包まれた。

 『リーシア、魔法は、決して恨みや負の感情を糧に使ってはダメよ』

 『なんで?』

 『魔法が暴走して、飲み込まれてしまうからよ』

 あぁ、母様の言いつけだ。昔から口癖のように言われてきたっけ…

 目を開くと目の前に、きれいな青い髪をした、青年のようなそれでいて女神のような人が立っていた。
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