犬のワルツ
犬の夫婦が喧嘩をしている。

「あんたね、どこの馬の骨かも分からないような女狐とニャンニャンしたらしいじゃないの!
しかも、ちょっと調べたら出るわ出るわ。
今回が初めてじゃないみたいね。
はっ!猿も木から落ちるってか!
それにみんな揃いも揃って綺麗な人で、
醜男のあんたには豚に真珠よ!
もー、狸寝入りなんかやめて反論でもしたらどうよ!?
あんたはまともだと思ってたけど結局あの人と同じ穴の狢だったってわけね。
このままじゃいたちごっこよ!
ねえ、知ってる?二兎追う者は一兎も得ないのよ。
離婚しましょう。」

「ま、待ってくれ!誤解だよ!
これじゃまるで俺が袋の鼠じゃないか!
牛の涎のように一緒にいようって誓ったのは忘れたのか!?
少しぐらい話しをさせてくれ!」

「忘れたのはどっちよ!
話しをするのはいいけどあんたの言葉は全部藪蛇なの!
何が誤解ですか!
え!?なに!?聞こえないわよ!
なに蟹の念仏みたいに喋ってるの!
今ぐらいハキハキ喋ったらどうよ!」

「は、もうお前に何を言っても馬の耳に念仏だよ。
お義母さんにそっくりで全く聞く耳を持ってくれないんだな。
蛙の子は蛙ってか。
虎の子のように可愛がってやったってのにこの仕打ちはなんだ。
はいはい、不倫しました。これで満足か!?」
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