遠き記憶を染める色
㉚波紋、それは巷からも
波紋、それは巷からも
Z子:ねえねえ…、昨日のテレビ、見た?永島弓子、絶対ウソついてるでしょ。あの女優、今まで散々、年下のイケメンに近づいてさ…。落ち目になると決まって、”その手”で自分の存在をアピールしてじゃん!サダトにはさ、例の変わった性癖持ってたのわかったから、即NG出ししてたんだよ、きっと!
Y美:そうそう…、それ、絶対だよ!自分からサダトに熱上げて、注目浴びたいからって、結婚も考えてま~す!ってさ…。サプライズでぶちあげちゃったんで、世間体もあるからししばらく付き合ってるフリしてようって…。そう言うことでしょ、あの女!
Z子:サダトはアイドルだから、その間、他の芸能人とかとお付き合いなんてそうはできないから…。あの女が映画の大役射止めるまで、飼い殺しにされてたんだよ、きっと!マジ、かわいそうにだわ。
Y美:だから~!今回、あんな死に方したサダトがいたたまれなくてさー、他のメンバーが”本当のこと”しゃべったんだって‼
A代:でもさあ…、自殺したの、本人で決めたことだし‥。やっぱ、どんな悩みを抱えていようが、自分で命断つの、よくないよ。あまり肯定的になったらいけないと思うけどな…、そういうの…。
Z子:そりゃそうよ。自殺はバッテンだわ、カンペキ。でもさー、そこまで追い込まれたカレ悩みって、性的なことでしょ?付き合ってた人がそれを知った上でよ、理解して寄り添うこと放っぽリ投げて、自分の人気挽回とかに相手のステータスを利用して…。それ、人間的にサイテーじゃん!まして、二周り近く年上でしょうが、永島は‼
A代:…(ただただ無言…、無言!)
***
Y美:今回は芸能リポーター、あのくらいのツッコミでいいって!たぶん…、甲田サダトは永島弓子のこと、本気で愛してたんだと思うんだよね。自分の悩みにも寄り添ってくれてると信じて…。だからさ、永島も世間の目が勘ぐりだって言うんなら、はっきり”事実はこういうことだった”、って明言すればいいのよ!…違う?
A代:まあ、違わないかな…。でも…。
Z子:ううん!Y美の言う通りよ。…自殺した彼を同情だけで擁護するのも問題あるだろうけど、少なくとも、二人の破局が2年前からだったってメンバーの証言が事実かどうかは、婚約寸前まで親しくなった相手としてきちっと釈明すべきよ。それが亡くなった元交際相手の尊厳を守ることでしょーが!
***
Y美:そうよ!フェアに見て、つい最近まで結婚前提で世間へ通していたんなら、その相手のショッキングな死を一般論でスルーなんて、人間性疑うわ!
A代:あのさ…、その辺のこと…、流子は彼から聞いてたのかな?…だって、自分で命を断つ数週間前だよ、彼が4年ぶりに彼女と会ったの…。
Y美:うん…。たぶん流子は知っていたと思う。…”あの朝”、長野の合宿組の面前で抱き合ってたそうだもん。あまりに厳粛な感じだったらしく、その場では冷やかしとかは一切なく、自然と拍手がわき起こったのよ。あの二人は心からつながってるのよ!
Z子:だからさ、流子がどう捉えているか…。それが答えだよ、きっと。
Y美&A代:無言でうなずく。
***
甲田サダトの死を受け、ここ大岬で彼がこの地をこよなく愛し、幼いころから潮田流子とは兄妹同然の仲であったことは、この時すでに広く知れ渡っていた。
大岬に住む人々の大半は、まさに老若男女に至るまで、サダトと流子に同情の念を抱く一方で、連日のテレビ報道もあってか、永島弓子に対してはもはや憎悪に近い感情を抱くまで達していたのだろう…。
そして…。
***
「おーい!大変だよ、Z子、Y美、A代…!今、家からライン来てさ…。流子が甲田サダトの日記とかも公表して、マスコミに永島との本当のこと晒すって…‼ワイドショーのリポーターがテレビで宣言してるそうよ!でさー、週明けから学校にも来るって、彼女…」
ーZ子とY美とA代はカタまっていたー
Z子:ねえねえ…、昨日のテレビ、見た?永島弓子、絶対ウソついてるでしょ。あの女優、今まで散々、年下のイケメンに近づいてさ…。落ち目になると決まって、”その手”で自分の存在をアピールしてじゃん!サダトにはさ、例の変わった性癖持ってたのわかったから、即NG出ししてたんだよ、きっと!
Y美:そうそう…、それ、絶対だよ!自分からサダトに熱上げて、注目浴びたいからって、結婚も考えてま~す!ってさ…。サプライズでぶちあげちゃったんで、世間体もあるからししばらく付き合ってるフリしてようって…。そう言うことでしょ、あの女!
Z子:サダトはアイドルだから、その間、他の芸能人とかとお付き合いなんてそうはできないから…。あの女が映画の大役射止めるまで、飼い殺しにされてたんだよ、きっと!マジ、かわいそうにだわ。
Y美:だから~!今回、あんな死に方したサダトがいたたまれなくてさー、他のメンバーが”本当のこと”しゃべったんだって‼
A代:でもさあ…、自殺したの、本人で決めたことだし‥。やっぱ、どんな悩みを抱えていようが、自分で命断つの、よくないよ。あまり肯定的になったらいけないと思うけどな…、そういうの…。
Z子:そりゃそうよ。自殺はバッテンだわ、カンペキ。でもさー、そこまで追い込まれたカレ悩みって、性的なことでしょ?付き合ってた人がそれを知った上でよ、理解して寄り添うこと放っぽリ投げて、自分の人気挽回とかに相手のステータスを利用して…。それ、人間的にサイテーじゃん!まして、二周り近く年上でしょうが、永島は‼
A代:…(ただただ無言…、無言!)
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Y美:今回は芸能リポーター、あのくらいのツッコミでいいって!たぶん…、甲田サダトは永島弓子のこと、本気で愛してたんだと思うんだよね。自分の悩みにも寄り添ってくれてると信じて…。だからさ、永島も世間の目が勘ぐりだって言うんなら、はっきり”事実はこういうことだった”、って明言すればいいのよ!…違う?
A代:まあ、違わないかな…。でも…。
Z子:ううん!Y美の言う通りよ。…自殺した彼を同情だけで擁護するのも問題あるだろうけど、少なくとも、二人の破局が2年前からだったってメンバーの証言が事実かどうかは、婚約寸前まで親しくなった相手としてきちっと釈明すべきよ。それが亡くなった元交際相手の尊厳を守ることでしょーが!
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Y美:そうよ!フェアに見て、つい最近まで結婚前提で世間へ通していたんなら、その相手のショッキングな死を一般論でスルーなんて、人間性疑うわ!
A代:あのさ…、その辺のこと…、流子は彼から聞いてたのかな?…だって、自分で命を断つ数週間前だよ、彼が4年ぶりに彼女と会ったの…。
Y美:うん…。たぶん流子は知っていたと思う。…”あの朝”、長野の合宿組の面前で抱き合ってたそうだもん。あまりに厳粛な感じだったらしく、その場では冷やかしとかは一切なく、自然と拍手がわき起こったのよ。あの二人は心からつながってるのよ!
Z子:だからさ、流子がどう捉えているか…。それが答えだよ、きっと。
Y美&A代:無言でうなずく。
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甲田サダトの死を受け、ここ大岬で彼がこの地をこよなく愛し、幼いころから潮田流子とは兄妹同然の仲であったことは、この時すでに広く知れ渡っていた。
大岬に住む人々の大半は、まさに老若男女に至るまで、サダトと流子に同情の念を抱く一方で、連日のテレビ報道もあってか、永島弓子に対してはもはや憎悪に近い感情を抱くまで達していたのだろう…。
そして…。
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「おーい!大変だよ、Z子、Y美、A代…!今、家からライン来てさ…。流子が甲田サダトの日記とかも公表して、マスコミに永島との本当のこと晒すって…‼ワイドショーのリポーターがテレビで宣言してるそうよ!でさー、週明けから学校にも来るって、彼女…」
ーZ子とY美とA代はカタまっていたー