*夜桜の約束?* ―再春―
[4段階]
「あ、ちゃんとクローゼットもあるんだ……」
モモは凪徒の上着を抱えたまま、部屋を見回して壁の一部にそれを見つけた。
ハンガーに吊るし、自分のコートも脱いで隣に掛ける。
自分の鞄と、無造作に置いていかれた凪徒の鞄を広めのローカウンターに置き、手持ち無沙汰な様子でベッドの長手に腰を降ろした。
ふわっとしたチェックの掛布団が、やんわりと沈んだ。
──あったかいけど……このパーカー脱いで待ってたら、いかにも「お待ちしておりました」って感じに思われるんだろうか……。
モモはそんなことを心配しながら、厚手のトレーナー地を見下ろした。
──おっきいベッドだなぁ~。
振り向けば花畑のように広がるピンク色の波が見えて、それは明日葉のよりもモスクワのホテルよりも、一回り広いように思われた。
これから此処で過ごす時間の中身が、曖昧にしか想像されない無垢なモモにとっては、このベッドの心地良さが今の全てだった。
──気持ちい……──
サイドに足を降ろしたまま上半身だけを倒す。
柔らかい布の感触と、何処かから香る微かな花の匂いに誘われて、モモはゆっくり瞼を伏せた。
♡ ♡ ♡
モモは凪徒の上着を抱えたまま、部屋を見回して壁の一部にそれを見つけた。
ハンガーに吊るし、自分のコートも脱いで隣に掛ける。
自分の鞄と、無造作に置いていかれた凪徒の鞄を広めのローカウンターに置き、手持ち無沙汰な様子でベッドの長手に腰を降ろした。
ふわっとしたチェックの掛布団が、やんわりと沈んだ。
──あったかいけど……このパーカー脱いで待ってたら、いかにも「お待ちしておりました」って感じに思われるんだろうか……。
モモはそんなことを心配しながら、厚手のトレーナー地を見下ろした。
──おっきいベッドだなぁ~。
振り向けば花畑のように広がるピンク色の波が見えて、それは明日葉のよりもモスクワのホテルよりも、一回り広いように思われた。
これから此処で過ごす時間の中身が、曖昧にしか想像されない無垢なモモにとっては、このベッドの心地良さが今の全てだった。
──気持ちい……──
サイドに足を降ろしたまま上半身だけを倒す。
柔らかい布の感触と、何処かから香る微かな花の匂いに誘われて、モモはゆっくり瞼を伏せた。
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