*夜桜の約束?* ―再春―
[2段階]〈N♡M〉
「ひゃっ!!」
しばらく沈黙が続いた後、左頬に冷たい何かが触れて、モモは思わずか細い声を上げてしまった。
「ああ……わりい。冷たかったか? お前がこっち向かないから」
気付けば凪徒の右手が伸ばされて、やや逆側へ逸らせたモモの顔を、こちらに向けようと指先が添えられていた。
──だ……だって、これで先輩の方を向いたら、メチャメチャ顔が近い……!
その指に力が込められても、モモは正面に顔を戻すのがやっとの様子だった。
凪徒には少女の緊張した横顔しか見えない。
「モモ」
「はっ、はい!」
改めて名を呼ばれ、指先のあった場所に掌がそっと当てられる。
それは強引にモモを振り向かせて、大きな丸い瞳の映す景色は、切なそうな凪徒の面だけになった。
しばらく沈黙が続いた後、左頬に冷たい何かが触れて、モモは思わずか細い声を上げてしまった。
「ああ……わりい。冷たかったか? お前がこっち向かないから」
気付けば凪徒の右手が伸ばされて、やや逆側へ逸らせたモモの顔を、こちらに向けようと指先が添えられていた。
──だ……だって、これで先輩の方を向いたら、メチャメチャ顔が近い……!
その指に力が込められても、モモは正面に顔を戻すのがやっとの様子だった。
凪徒には少女の緊張した横顔しか見えない。
「モモ」
「はっ、はい!」
改めて名を呼ばれ、指先のあった場所に掌がそっと当てられる。
それは強引にモモを振り向かせて、大きな丸い瞳の映す景色は、切なそうな凪徒の面だけになった。