元カレと再共演することになりました
真実
「よーいアクション。」
監督の声で再び、ドラマの世界へと旅をする。
みなみ『アキラどうしたの?浮かない顔して?このパーティー楽しくない?』
僕は、彼女との約束を断ったクリスマスに当時主演を務めていたドラマの打ち上げに来ていた。
アキラ『みなみさん。いいえ、そんなことないです。ドラマの打ち上げに参加したのは初めてなので少し緊張していて…』
彼女は、ドラマで共演中の一ノ瀬みなみさん。
現在活躍中の女優の1人だ。
みなみ『ははは。俳優なのに嘘が下手くそだね。さっきから携帯ばかり見てるの気づいてる?…もしかして彼女?』
アキラ『はい…毎年クリスマスは、一緒に過ごす約束をしていたんです。でも僕が破ってしまったので…』
僕がそう言うと、みなみさんの顔が少し曇ったのを感じた。
みなみ『そうなんだ。彼女と上手くいってないの?』
アキラ『そうですね。最近忙しくてなかなか会えていなくて。』
みなみ『そうなんだ。忙しいんだったら仕方ないわね。』
アキラ『はい。でも仕事終わりに彼女のマンションまで行ったりもするんですけど、彼女は、あまり嬉しそうではないんです。だから僕のことを本当に好きでいてくれているのか、時々不安になる時があるんです。』
みなみ『そうなんだ…彼女は、アキラを愛していないんじゃない?」
アキラ「やっぱりみなみさんもそう思いますか?」
みなみ「うん。私が彼女だったら常にアキラの側にいたいはずだもん。」
アキラ「そうですか…」
みなみ「ねぇアキラ私じゃ駄目かな?私があなたに向けている好意に気づいていないの?それとも気づかないフリをしているの?』
アキラ「…」
僕が返答に困っていると、スタッフの声が聞こえてきた。
スタッフ『みんな〜打ち上げは、お開きだ。みんな退散するように。』
スタッフさんの声がけと共に俺たちは、会場をあとにした。
「はい。カット。るいくん、さくらちゃんすごい良かったよ。」
監督が2人の肩の上に手を置く。
私は、遠くから2人の演技を見つめていた。
でもこの2人の並んでいる姿を見るのは、正直辛い。
正直当時もさくらさんがるいに好意を抱いているのは、知っていた。
私だけではなくて、全国民が知っていたと思う。
3年前、るいと付き合っていた頃、私が美容室に行ったときのことだ。
「最近、るい人気ですね。」
美容師の人が私が読んでいた雑誌を見て、こう話しかけてきた。
私が返事をすると、
「付き合ってる人とかいるんですかね?」
と私に問いかけてきた。
内心ドキッとしたがバレないために咄嗟にこう言い返した。
「…アイドルだからいないんじゃないですか?」
そう言うと、私が1番聞きたくない情報を教えてくれたのだ。
「あっ!でも今共演中の東堂さくらと噂出てますよね?噂ですけど。」
「え?そうなんですか?」
るいは、私だけを愛してくれていると思っていた当時の私は、あまりの衝撃に大きな声を出してしまった。
美容師の人は、そんな私の様子に驚いていた。
「お客さん!そんなに興味あるんですか?」
私がコクンと頷くと、彼は話し続けてくれた。
「東堂さくらのSNS見たことあります?彼女のSNS、洋服もアクセサリーも全て彼と同じなんですよね。さすがに付き合ってますよね?」
あまりの衝撃に声も出なかったのを今でも覚えている。
この頃の私は、彼と1ヶ月以上会えていないだけでなく、電話もできておらず、彼のためと思いつつも、彼に浮気されたらどうしようと内心怯えていた。
その不安が現実になってしまったのだ。
この直後のことだった。
彼とさくらさんが週刊誌に撮られたのは。
しかも私と約束していた3年前のクリスマスの日。
ルイは、私との約束を破り、さくらさんと過ごしていた。
その記事が週刊誌に掲載されたのだ。
その記事を見た私は、今まで不安に思っていたことのピースが揃った気がした。
私は、震えるでを必死に抑え、彼の連絡先をタップした。
プルルルプルルルルプルルルル。
発信音が鳴り響く。
心臓が飛び出てきそうだった。
ガチャッ。
「もしもし?ルイ。」
「リサ…ごめん。」
彼は、電話に出ると、すぐに謝ってきた。
「謝らないで。ちょうど私もあなたに別れようって言おうと思ってたの。」
気づくと、私は、思ってもいないことを口走っていた。
「待って、リサ違うんだ。今回のことは…」
「いいよ、もう。私、あなたとは合わないみたい。連絡しても全然電話に出てくれないし。」
「それは、仕事で忙しかっただけだよ。」
「へぇ。忙しいのに、クリスマスは、さくらさんと会う余裕があるんだ。」
開いた口は、中々閉じずに、ペラペラと言っては行けない言葉が次々と出てくる。
「だからそれには訳があるんだよ。」
大声を出す彼。
「訳ってなに?」
イライラがピークに達する私。
「実は…」
「ルイ、出番よ。」
電話越しに聞こえてくる如月さんの声。
「ごめん、呼ばれた。話すと長くなるからまた後でゆっくり話すよ。」
この時の私にとっては、待つことなんてできなかった。
もう決めたのだ。
「もういいよ。別れよう。」
私は、そう口にしていた。
「だからさ…」
「もう別れる。それに私あなたよりも好きな人ができたの。だから別れる。バイバイ。」
私は、半ば強引に電話を切った。
私の最後の見栄だった。
浮気されて、フラれるのは、若い私にとって、辛すぎる。
せめて私から振ったことにしたかった。
でもあの時ちゃんと彼の話を聞いていれば、良かったのかもしれない。
その後、私は、彼の連絡先を削除し、携帯電話も変えた。
完全に彼との連絡を断ち切ったのだ。
だから今でも真実がどうだったかは、分からない。
でも本当にるいが私を裏切ってさくらさんと浮気をしていたのだとすると、
今でも2人は、付き合っているのかもしれない。
「るいくん。あの時のことを思い出すね。」
「そうですね。」
「私るいくんとまた共演できて嬉しいわ。夢のよう。」
彼女の彼に対する態度を見ていると、今でも彼女が彼のことを愛していることが伝わってきた。
このドラマは私に何を伝えようとしているの?
結末はどこに向かうの?
このドラマは、誰が制作したの?
そんなことを脳内で考えながら、遠くから2人が話しているのをじっと見つめていた。
監督の声で再び、ドラマの世界へと旅をする。
みなみ『アキラどうしたの?浮かない顔して?このパーティー楽しくない?』
僕は、彼女との約束を断ったクリスマスに当時主演を務めていたドラマの打ち上げに来ていた。
アキラ『みなみさん。いいえ、そんなことないです。ドラマの打ち上げに参加したのは初めてなので少し緊張していて…』
彼女は、ドラマで共演中の一ノ瀬みなみさん。
現在活躍中の女優の1人だ。
みなみ『ははは。俳優なのに嘘が下手くそだね。さっきから携帯ばかり見てるの気づいてる?…もしかして彼女?』
アキラ『はい…毎年クリスマスは、一緒に過ごす約束をしていたんです。でも僕が破ってしまったので…』
僕がそう言うと、みなみさんの顔が少し曇ったのを感じた。
みなみ『そうなんだ。彼女と上手くいってないの?』
アキラ『そうですね。最近忙しくてなかなか会えていなくて。』
みなみ『そうなんだ。忙しいんだったら仕方ないわね。』
アキラ『はい。でも仕事終わりに彼女のマンションまで行ったりもするんですけど、彼女は、あまり嬉しそうではないんです。だから僕のことを本当に好きでいてくれているのか、時々不安になる時があるんです。』
みなみ『そうなんだ…彼女は、アキラを愛していないんじゃない?」
アキラ「やっぱりみなみさんもそう思いますか?」
みなみ「うん。私が彼女だったら常にアキラの側にいたいはずだもん。」
アキラ「そうですか…」
みなみ「ねぇアキラ私じゃ駄目かな?私があなたに向けている好意に気づいていないの?それとも気づかないフリをしているの?』
アキラ「…」
僕が返答に困っていると、スタッフの声が聞こえてきた。
スタッフ『みんな〜打ち上げは、お開きだ。みんな退散するように。』
スタッフさんの声がけと共に俺たちは、会場をあとにした。
「はい。カット。るいくん、さくらちゃんすごい良かったよ。」
監督が2人の肩の上に手を置く。
私は、遠くから2人の演技を見つめていた。
でもこの2人の並んでいる姿を見るのは、正直辛い。
正直当時もさくらさんがるいに好意を抱いているのは、知っていた。
私だけではなくて、全国民が知っていたと思う。
3年前、るいと付き合っていた頃、私が美容室に行ったときのことだ。
「最近、るい人気ですね。」
美容師の人が私が読んでいた雑誌を見て、こう話しかけてきた。
私が返事をすると、
「付き合ってる人とかいるんですかね?」
と私に問いかけてきた。
内心ドキッとしたがバレないために咄嗟にこう言い返した。
「…アイドルだからいないんじゃないですか?」
そう言うと、私が1番聞きたくない情報を教えてくれたのだ。
「あっ!でも今共演中の東堂さくらと噂出てますよね?噂ですけど。」
「え?そうなんですか?」
るいは、私だけを愛してくれていると思っていた当時の私は、あまりの衝撃に大きな声を出してしまった。
美容師の人は、そんな私の様子に驚いていた。
「お客さん!そんなに興味あるんですか?」
私がコクンと頷くと、彼は話し続けてくれた。
「東堂さくらのSNS見たことあります?彼女のSNS、洋服もアクセサリーも全て彼と同じなんですよね。さすがに付き合ってますよね?」
あまりの衝撃に声も出なかったのを今でも覚えている。
この頃の私は、彼と1ヶ月以上会えていないだけでなく、電話もできておらず、彼のためと思いつつも、彼に浮気されたらどうしようと内心怯えていた。
その不安が現実になってしまったのだ。
この直後のことだった。
彼とさくらさんが週刊誌に撮られたのは。
しかも私と約束していた3年前のクリスマスの日。
ルイは、私との約束を破り、さくらさんと過ごしていた。
その記事が週刊誌に掲載されたのだ。
その記事を見た私は、今まで不安に思っていたことのピースが揃った気がした。
私は、震えるでを必死に抑え、彼の連絡先をタップした。
プルルルプルルルルプルルルル。
発信音が鳴り響く。
心臓が飛び出てきそうだった。
ガチャッ。
「もしもし?ルイ。」
「リサ…ごめん。」
彼は、電話に出ると、すぐに謝ってきた。
「謝らないで。ちょうど私もあなたに別れようって言おうと思ってたの。」
気づくと、私は、思ってもいないことを口走っていた。
「待って、リサ違うんだ。今回のことは…」
「いいよ、もう。私、あなたとは合わないみたい。連絡しても全然電話に出てくれないし。」
「それは、仕事で忙しかっただけだよ。」
「へぇ。忙しいのに、クリスマスは、さくらさんと会う余裕があるんだ。」
開いた口は、中々閉じずに、ペラペラと言っては行けない言葉が次々と出てくる。
「だからそれには訳があるんだよ。」
大声を出す彼。
「訳ってなに?」
イライラがピークに達する私。
「実は…」
「ルイ、出番よ。」
電話越しに聞こえてくる如月さんの声。
「ごめん、呼ばれた。話すと長くなるからまた後でゆっくり話すよ。」
この時の私にとっては、待つことなんてできなかった。
もう決めたのだ。
「もういいよ。別れよう。」
私は、そう口にしていた。
「だからさ…」
「もう別れる。それに私あなたよりも好きな人ができたの。だから別れる。バイバイ。」
私は、半ば強引に電話を切った。
私の最後の見栄だった。
浮気されて、フラれるのは、若い私にとって、辛すぎる。
せめて私から振ったことにしたかった。
でもあの時ちゃんと彼の話を聞いていれば、良かったのかもしれない。
その後、私は、彼の連絡先を削除し、携帯電話も変えた。
完全に彼との連絡を断ち切ったのだ。
だから今でも真実がどうだったかは、分からない。
でも本当にるいが私を裏切ってさくらさんと浮気をしていたのだとすると、
今でも2人は、付き合っているのかもしれない。
「るいくん。あの時のことを思い出すね。」
「そうですね。」
「私るいくんとまた共演できて嬉しいわ。夢のよう。」
彼女の彼に対する態度を見ていると、今でも彼女が彼のことを愛していることが伝わってきた。
このドラマは私に何を伝えようとしているの?
結末はどこに向かうの?
このドラマは、誰が制作したの?
そんなことを脳内で考えながら、遠くから2人が話しているのをじっと見つめていた。