元カレと再共演することになりました
僕は、如月さんに連れられ、テレビ局内の会議室へ入る。
ガチャッ。
中に入ると、
一気に僕に注目が集まる。
正直に言って、僕は、目立ちたがり屋ではない。
僕は元からアイドルになりたかったわけでもなく。俳優になりたかったわけでもなかった。
中学生の時、サッカーの部活内に友達と訪れた原宿の竹下通り。
友達がクレープを買いに行っている間、僕は建物の下でスマホをいじりながら友達を待っていた時に、今の事務所にスカウトされた。
1週間前に怪我をしていて、監督に試合に出続けることはできないと言われていた。僕は何かのチャンスだと思い、その名刺を手にしてそのままの流れで芸能界に入った。
だから、ちやほやされたかったわけでもないし、目立ちたかったわけでもない。
だから、いまだに芸能界のこういう部分が少し嫌いだったりする。
「おはようございます。ルイさん、こちらへどうぞ。」
僕の親よりも年が上であろうスタッフさんが僕にヘコヘコと頭を下げながら、
僕を中央の椅子まで案内する。
こういうところも芸能界の大嫌いなところだ。
椅子へと腰掛けると、
ホワイトボード前に立っていたADさんらしき人が話し始める。
「次回作品の題名は、僕が伝えたい君への想いです。主演は、桜ノ宮ルイさん。現在ヒロインは、選考中です。今回脚本は、ルイさんが担当して頂けるとのことです。」
「ルイ。それでいいんだな?」
原さんが僕に確認を取る。
僕は、頷いた。
僕は、5年前、練習生の時に届かぬ思いに出演し、ドラマデビューを果たした。
そのドラマ出演後、無事にグループとしてデビューすることができ、その後も、数々の作品で主演を務めてきた。
今年でデビュー5年目だ。
この節目に、僕はあなたの挑戦をしたいとずっと考えていた。
そして今回自分で脚本を出かけたドラマを制作し、そのドラマの主演として、自分も出演すると言う挑戦をすることに決めたのだった。
その思いを僕が話すと、その場にいたスタッフさんが拍手をしてくれた。
始めてのことで不安だった僕は、その拍手で救われたようなそんな気がした。
「山本。ヒロインはどうなってる?planetプロダクションの山口さんは、次の作品決まってるそうだ。他に候補になりそうな女優いるか?」
僕の次の作品のヒロイン探しが始まったようだ。
「そうですね…安田みゆさんは、いかがでしょうか?グループを卒業されるそうですし、話題性もあります。」
「そうだな。良いかもしれんなぁ。」
安田みゆちゃん。
懐かしい響き。
彼女は、リサちゃんと同じグループ出身。
そして、彼女の大親友だ。
僕がリサちゃんと付き合っていた頃は、よく話していた。
「安田さんなんですけど、卒業後は、韓国を拠点にされるらしく、しばらく日本のテレビには、出演されないらしいです。」
「そうか…韓国のオーディション番組に出演して、話題になっていたもんなぁ。」
僕のドラマのヒロイン選考は、うまく行っていないようだった。
会議室内に張り詰めた空気が流れ出していた。
そんな時、あるADのひと言でよりその空気が重いものになる。
「東堂さくらさんは、いかがでしょうか?最近CMにも多く出演されてますし、話題性もあります。」
東堂さくら。
彼女は、僕が3年前週刊誌に撮られた女性だ。
「山本!と、東堂さくらだけは、駄目だ。」
原さんの野太い声が響いた。
「何故ですか?」
「それぐらいネットで調べろ!知らないのお前ぐらいだぞ?」
「はい。すみません。」
僕のせいで怒られてしまった彼に同情してしまう。
心の中で精一杯のごめんを込めた表情を彼に送った。
「あああ。他に誰かいないかな?」
原さんがこめかみを手でひたすらかいていた。
それぐらいヒロイン選考に難航していたのだ。
その様子を静かに見守っていた僕だったが、脳内にある1つのアイデアが浮かんでしまった。
僕は、恐る恐る手を挙げた。
「あ、あの…そのことなんですけど…」
「ルイ。どうした?」
「ヒロインに推薦したい人がいるんです。」
「おう。誰だ?」
ルイ「…」
僕が下したこの決断は、正しかったのかは、わからない。
でも僕がこの3年間抱いていた葛藤と戦うのをやめたい。
1歩踏み出したい。
ただそれだけだった。
ガチャッ。
中に入ると、
一気に僕に注目が集まる。
正直に言って、僕は、目立ちたがり屋ではない。
僕は元からアイドルになりたかったわけでもなく。俳優になりたかったわけでもなかった。
中学生の時、サッカーの部活内に友達と訪れた原宿の竹下通り。
友達がクレープを買いに行っている間、僕は建物の下でスマホをいじりながら友達を待っていた時に、今の事務所にスカウトされた。
1週間前に怪我をしていて、監督に試合に出続けることはできないと言われていた。僕は何かのチャンスだと思い、その名刺を手にしてそのままの流れで芸能界に入った。
だから、ちやほやされたかったわけでもないし、目立ちたかったわけでもない。
だから、いまだに芸能界のこういう部分が少し嫌いだったりする。
「おはようございます。ルイさん、こちらへどうぞ。」
僕の親よりも年が上であろうスタッフさんが僕にヘコヘコと頭を下げながら、
僕を中央の椅子まで案内する。
こういうところも芸能界の大嫌いなところだ。
椅子へと腰掛けると、
ホワイトボード前に立っていたADさんらしき人が話し始める。
「次回作品の題名は、僕が伝えたい君への想いです。主演は、桜ノ宮ルイさん。現在ヒロインは、選考中です。今回脚本は、ルイさんが担当して頂けるとのことです。」
「ルイ。それでいいんだな?」
原さんが僕に確認を取る。
僕は、頷いた。
僕は、5年前、練習生の時に届かぬ思いに出演し、ドラマデビューを果たした。
そのドラマ出演後、無事にグループとしてデビューすることができ、その後も、数々の作品で主演を務めてきた。
今年でデビュー5年目だ。
この節目に、僕はあなたの挑戦をしたいとずっと考えていた。
そして今回自分で脚本を出かけたドラマを制作し、そのドラマの主演として、自分も出演すると言う挑戦をすることに決めたのだった。
その思いを僕が話すと、その場にいたスタッフさんが拍手をしてくれた。
始めてのことで不安だった僕は、その拍手で救われたようなそんな気がした。
「山本。ヒロインはどうなってる?planetプロダクションの山口さんは、次の作品決まってるそうだ。他に候補になりそうな女優いるか?」
僕の次の作品のヒロイン探しが始まったようだ。
「そうですね…安田みゆさんは、いかがでしょうか?グループを卒業されるそうですし、話題性もあります。」
「そうだな。良いかもしれんなぁ。」
安田みゆちゃん。
懐かしい響き。
彼女は、リサちゃんと同じグループ出身。
そして、彼女の大親友だ。
僕がリサちゃんと付き合っていた頃は、よく話していた。
「安田さんなんですけど、卒業後は、韓国を拠点にされるらしく、しばらく日本のテレビには、出演されないらしいです。」
「そうか…韓国のオーディション番組に出演して、話題になっていたもんなぁ。」
僕のドラマのヒロイン選考は、うまく行っていないようだった。
会議室内に張り詰めた空気が流れ出していた。
そんな時、あるADのひと言でよりその空気が重いものになる。
「東堂さくらさんは、いかがでしょうか?最近CMにも多く出演されてますし、話題性もあります。」
東堂さくら。
彼女は、僕が3年前週刊誌に撮られた女性だ。
「山本!と、東堂さくらだけは、駄目だ。」
原さんの野太い声が響いた。
「何故ですか?」
「それぐらいネットで調べろ!知らないのお前ぐらいだぞ?」
「はい。すみません。」
僕のせいで怒られてしまった彼に同情してしまう。
心の中で精一杯のごめんを込めた表情を彼に送った。
「あああ。他に誰かいないかな?」
原さんがこめかみを手でひたすらかいていた。
それぐらいヒロイン選考に難航していたのだ。
その様子を静かに見守っていた僕だったが、脳内にある1つのアイデアが浮かんでしまった。
僕は、恐る恐る手を挙げた。
「あ、あの…そのことなんですけど…」
「ルイ。どうした?」
「ヒロインに推薦したい人がいるんです。」
「おう。誰だ?」
ルイ「…」
僕が下したこの決断は、正しかったのかは、わからない。
でも僕がこの3年間抱いていた葛藤と戦うのをやめたい。
1歩踏み出したい。
ただそれだけだった。