空旅
〈亡くなった人はどこに行くの? 安心できるところ?〉



 こう何度もコピーしていろんな人に送り続けている。

 なのに返事は



〈さぁ?〉



〈行ったことないからなぁ〉



 と、自分は違う、関係ない、という雰囲気を出して言葉が返ってくる。

 友達ってアテにならない。

 もう、なんでっ。

 どうしてっ……。



 あれからちゃんと家に帰ったあと、意識も朦朧としていた。

 どうだったかちゃんと覚えていないけれど、ベットに倒れ込んで、そして、その後……。

 その後……?

 何したっけ。

 ずっとずっと泣き続けて、お母さんは気を使ってほっといてくれて。

 それ、で……?

 いや、その前に。

 一体何を考えていた?

 どうしてあたしは泣いていたの?

 もう、自分でも意味不明な問いをぽんぽん出しながらふと考える。

 誰について考えていたんだっけ。

 誰、だっけ。

 #./_○。

 何それ、そいつ誰?

 知らない、#./_○なんて。



 ノイズも鋭くなって、頭がクラクラする。

 そうか、これが記憶が消えていく瞬間か。

 変に関心してしまった。

 でももう遅い。

 ノイズさえも分からなくなって、もう全部が意味不明になって。

 その場に倒れた。

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