僕と彼女と傷痕
玄匠は、武公から聞いたことを風吹に伝えた。
「ごめんね。
僕は、風吹の夢まで奪ってたんだね……
謝ってもどうにもならないし、何も解決しないけど………ごめん…なさい……」
「………」
「僕は、風吹から奪ってばっかだね……」
「………今更、私から離れないでね」
風吹は、玄匠の服を握りしめ見上げた。
「え?」
「なんか…玄匠くん…
“別れよう”って言いそうな雰囲気だから」
「風吹、僕は傍にいても良いの?」
「今更、嫌だよ!別れるなんて、嫌!
ずっと……大好きなのに、私のこと彼女にしてくれたのに、別れるなんてやだよ!!
私に、全て捧げてくれるんでしょ!?
はぁはぁ…嫌!そんなの、やだ!
……っ…はぁはぁ…」
急に声を張り上げたので、息切れし肩で息をする。
「風吹!?」
「…………傍にいて?」
玄匠の胸に顔を埋め、呟いた。
「うん、うん……!」
玄匠も、風吹を抱き締めた。
「━━━━━玄匠くん」
「ん?」
しばらく抱き締め合って、抱き締め合ったまま話す二人。
「自分のお店を持ちたいってのは、二番目の夢だよ」
「え?そう…なの?」
「うん」
「一番の夢は?」
「………知りたい?」
玄匠の腕の中から見上げる、風吹。
「知りたい!」
風吹の頬を撫でながら言う。
「私ね。小学六年生の頃に初めて、母に香月スイーツに連れてってもらったの。
祥太朗さんは、親の店でオリジナルのケーキを出してた。
その時まだ、高校三年生!
凄いでしょ!?
一気にファンになったの。
将来は自分の店を出すって言ってて、今では人気のパティシエさん!
祥太朗さんみたいな彼氏欲しいなぁーとまで思ってたくらい、憧れてた。
里莉ちゃん達がアイドルの追っかけしてる時、私は祥太朗さんの店に通ったりしてたなぁー」
懐かしんで言う風吹を、玄匠は複雑な気持ちで聞いていた。
「………」
「でもね……」
風吹が玄匠の頬に触れる。
「ん?」
「大学に入学して、呂麻ちゃんを通じて玄匠くんと出逢って、その気持ちが変わったの!」
「え……」
(それって……)
「一目惚れだった━━━━━
カッコいい~って!」
「そっか!嬉しいな!」
「それで、大学で色んな話をしていくうちにもっと好きになってった」
ゆっくり、風吹の顔が近づく。
「ごめんね。
僕は、風吹の夢まで奪ってたんだね……
謝ってもどうにもならないし、何も解決しないけど………ごめん…なさい……」
「………」
「僕は、風吹から奪ってばっかだね……」
「………今更、私から離れないでね」
風吹は、玄匠の服を握りしめ見上げた。
「え?」
「なんか…玄匠くん…
“別れよう”って言いそうな雰囲気だから」
「風吹、僕は傍にいても良いの?」
「今更、嫌だよ!別れるなんて、嫌!
ずっと……大好きなのに、私のこと彼女にしてくれたのに、別れるなんてやだよ!!
私に、全て捧げてくれるんでしょ!?
はぁはぁ…嫌!そんなの、やだ!
……っ…はぁはぁ…」
急に声を張り上げたので、息切れし肩で息をする。
「風吹!?」
「…………傍にいて?」
玄匠の胸に顔を埋め、呟いた。
「うん、うん……!」
玄匠も、風吹を抱き締めた。
「━━━━━玄匠くん」
「ん?」
しばらく抱き締め合って、抱き締め合ったまま話す二人。
「自分のお店を持ちたいってのは、二番目の夢だよ」
「え?そう…なの?」
「うん」
「一番の夢は?」
「………知りたい?」
玄匠の腕の中から見上げる、風吹。
「知りたい!」
風吹の頬を撫でながら言う。
「私ね。小学六年生の頃に初めて、母に香月スイーツに連れてってもらったの。
祥太朗さんは、親の店でオリジナルのケーキを出してた。
その時まだ、高校三年生!
凄いでしょ!?
一気にファンになったの。
将来は自分の店を出すって言ってて、今では人気のパティシエさん!
祥太朗さんみたいな彼氏欲しいなぁーとまで思ってたくらい、憧れてた。
里莉ちゃん達がアイドルの追っかけしてる時、私は祥太朗さんの店に通ったりしてたなぁー」
懐かしんで言う風吹を、玄匠は複雑な気持ちで聞いていた。
「………」
「でもね……」
風吹が玄匠の頬に触れる。
「ん?」
「大学に入学して、呂麻ちゃんを通じて玄匠くんと出逢って、その気持ちが変わったの!」
「え……」
(それって……)
「一目惚れだった━━━━━
カッコいい~って!」
「そっか!嬉しいな!」
「それで、大学で色んな話をしていくうちにもっと好きになってった」
ゆっくり、風吹の顔が近づく。