僕と彼女と傷痕
そして、口唇が重なる寸前で止まった。

「その時から、私の夢が変わった!」

「ふぶ━━━━━」
「私の一番の夢は、玄匠くんのお嫁さん!」

そう言って、二人の口唇が重なった━━━━━━


「………ん…じゃあ、その夢は叶えるよ!」
口唇が離れて、額と額をくっつけ言った玄匠。

「いいの?」

「もちろん!
…………ってか!
“僕が”そうしたい!
風吹を、僕のお嫁さんにしたい!」

「嬉しい…//////」

「約束するよ!」

「うん!」
また口唇が重なって、玄匠が言った。

「………ねぇ、風吹…」
「ん?」

「…………ベッド、行こ?」
「………え!!?////」

「僕…今、無性に、風吹を抱きたい……!」

「え?で、でも…まだ、明るいし…/////」
「ダメ…
てか、連れてく!」

風吹を抱き上げた玄匠は、そのまま寝室に向かった。


「━━━━━補聴器、外すよ?」
風吹をベッドに下ろした玄匠が、風吹を組み敷き言った。

「あ、ま、待って!」
「ん?」

「あ、あの…////」
「なぁに?」

「あの…ね…?」
「うん。
ん?もしかして、焦らして煽ってるの?(笑)」

「ち、違っ…/////」
「じゃあ、何?」

「わ、私…////変じゃない…かな…?」
「ん?」
「ほ、ほら、私補聴器ないと、ほとんど聞こえないから……
へ、変な声とか出てないかなって……」

「あー」
「え?え?」
(な、何!?あーって……)

「フフフ…」
「え?や、やっぱ、変!?」

玄匠は微笑み、風吹の右耳に手を掛けた。
そして外そうとする。

そして外れる寸前で“可愛いよ。可愛くて、僕大変なんだよ”と言った。




「━━━━━んんっ!!」

「………わ…ほんと、可愛い…」
抱き合って、一緒に果てて、可愛い風吹の姿に玄匠はうっとりしていた。

風吹の目がトロンとしている。
「ねー、る?」
玄匠が言うと、頷く風吹。

微笑んで頭を撫で始めると、ゆっくり風吹の目が閉じて“スースー”と寝息が聞こえてきた。

更に目を細めて笑った、玄匠。



「……………ありがとう、風吹。
僕を、受け入れてくれて。
将来……必ず風吹をお嫁さんにするからね!」


風吹の小指に自分の小指を絡ませ、キスをした。
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