神さま…幸せになりたい
望夢が産まれて私の生活は激変した。夜中の授乳とお世話と…余計なことを考えてる暇がないくらいだった。
沙代子さんも、あやちゃんも忙しいのにいつも手伝ってくれた。特にあやちゃんはお世話をするのがやっぱり上手で夜泣きの時はとっても助かった。

望夢は体も丈夫でよく食べる。まんまっと話すようになってきた。

「のぞくん、よく食べるよね。アレルギーもなかったんでしょ?」
「はい。だからなんでも食べさせてあげれるから助かります」

「今日から仕事復帰だけど無理だけはしないでね」
「ありがとうございます。しかも外来勤務だけにしてもらって…」
「いいのよ。夜勤はのぞくんが大きくなってからでもできるから」
私はやっと職場復帰することになったのだ。もっと早くに復帰する予定だったのだが、沙代子さんや、あやちゃんの助言もあって1年間育休を取らせてもらい望夢と一緒に毎日いられた。

職場復帰が決まってからすぐに病院内の保育園に見学に行った。最初はびっくりしてたけど、職場復帰の当日は思ったよりすんなりと保育士さんの抱っこに応えていて、そんな望夢を少し寂しく思ってしまった。

「おはようございます。今日から職場復帰することになりました川原 詩織です。内科勤務は初めてなので色々と教えてください。よろしくお願いします」 
沙代子さんは部長として忙しく、あやちゃんも夜勤があっるので時間もバラバラ…でも時間がある時はみんなで一緒に晩ごはんを食べようと約束した。
今日も仕事を終えて望夢を迎えに行った。
「ありがとうございました。迎えに来ました。望夢、帰るよ」
「はぁーい」
望夢は最近、少しずつ言葉を覚えて発することが増えてきた。
家に帰って手を洗ってから部屋に荷物を置いて望夢と部屋に置いてある両親と姉の写真に手を合わすのが日課だ。

「お父さん、お母さん、お姉ちゃん今日も1日頑張れたよ。見守ってくれてありがとう」
「望夢もお手てぱっちんよ」
「はぁーい」
毎日毎日、声をかけていた。お父さんの声も、お母さんの声も、お姉ちゃんの声も聞こえないけど…でも…きっと見てくれている。見守っていてくれる。私達のことを…
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