王女✖️護衛の禁断の恋〜私を憎んでいる彼を愛してしまいました
ep6
そして私たち一行は、トリカブト王国に到着した。
輿入れから出ると、大勢の人々が列を作っているのが見えた。
私は、下に引かれたカーペットの行く先を眺めながらそれに沿って歩みを進めた。
頭を下げていた侍女らしき人達が話しているのが聞こえてきた。
「へヨン様のお隣にいらっしゃるのはどなたかしら?非常にお似合いだわ。」
「何を言っているのよ。トア様との方がお似合いに決まっているでしょ。」
「すみません。にしてもあの方は、どなたなのでしょうか。」
侍女たちは、私の隣にいるジェヒョンのことを気にしているようだった。
それはそうだろう。
輿入れに同世代の男性を連れてくるなどあり得ないからだ。
輿入れだけでなく、これからもこの国に残って私の護衛を務めるのだから。
歩みを進めると、王らしき方が見えてきた。
「国王陛下、初めてお目にかかります。カルミヤ王国から参りました、へヨンと申します。本日よりどうぞよろしくお願い致します。」
私は、花嫁修行で習ったことを精一杯思い出し、失礼のないよう挨拶をした。
「へヨン。待っておったぞ。伝統やしきたりなど慣れないこともあるとは思うが、息子のトアと共に歩んで欲しいと願っておる。隣にいるのが息子のトアだ。」
この人が今日から私の旦那になられるお方。
想像していたよりもずっとお優しそうな顔をしていた。
「トア様。初めてお目にかかります。ヘヨンでございます。」
「ヘヨン。異国の地で大変かと思うが、支え合っていこう。」
彼は、私に笑顔を向けてくれた。
正直今まで不安だった。
ジェヒョンからトア様は、人柄の良い方だと聞いてはいたが、確信が持てなかった。
でもそんな不安とは裏腹に本当に誠実そうなお方だった。
敵だらけのこの国で上手くやっていけるか不安だったが、その不安が和らいだ気がした。
だがその安心も束の間。
トア様のお隣にいらっしゃる女性が私を睨みつけていることに気づいた。
その女性が口を開いた。
「この小娘は、敵国の王女なのよ。いつ裏切るか分からないわ。」
王妃は、私がトア様と結婚するのに反対しているようだ。
それもそうだろう。
敵国の王女がこの土地に足を踏み入れているのだから。
「それにお隣に同年代の綺麗な男を侍らせているではありませんか。この方はどなたなの?」
王妃のその言葉に私は、こう返した。
「この者は、私の護衛をしているジェヒョンでございます。もし私に何かあったとき命懸けで守る契約を交わしているだけです。なので王妃が心配されているようなことは、一切ありません。」
私がそう言うと、その場にいた人々が驚いた顔をしていた。
「王妃。君も初めてこの地に来た時は、文化の違いに苦しんでいただろう。」
王がそう言うと、
「そ、そうでございますね。」
と言い、俯いた。
婚礼は、明日行われることになった。
王がこれから私の身の回りの世話をしてくれる女官の方々を紹介してくださった。
この地に残って良いと許されたのは、ジェヒョンだけだった。
本当は、ジェヒョンも来ることを許されなかったらしいが、結婚の交換条件として受理されたそうだ。
これからこの敵だらけの国で上手くやっていけるのだろうか。
「では私は、施設内の経路を確認して参ります。ヘヨン様、また後程。」
そう言ってジェヒョンは、私の元を離れた。
輿入れから出ると、大勢の人々が列を作っているのが見えた。
私は、下に引かれたカーペットの行く先を眺めながらそれに沿って歩みを進めた。
頭を下げていた侍女らしき人達が話しているのが聞こえてきた。
「へヨン様のお隣にいらっしゃるのはどなたかしら?非常にお似合いだわ。」
「何を言っているのよ。トア様との方がお似合いに決まっているでしょ。」
「すみません。にしてもあの方は、どなたなのでしょうか。」
侍女たちは、私の隣にいるジェヒョンのことを気にしているようだった。
それはそうだろう。
輿入れに同世代の男性を連れてくるなどあり得ないからだ。
輿入れだけでなく、これからもこの国に残って私の護衛を務めるのだから。
歩みを進めると、王らしき方が見えてきた。
「国王陛下、初めてお目にかかります。カルミヤ王国から参りました、へヨンと申します。本日よりどうぞよろしくお願い致します。」
私は、花嫁修行で習ったことを精一杯思い出し、失礼のないよう挨拶をした。
「へヨン。待っておったぞ。伝統やしきたりなど慣れないこともあるとは思うが、息子のトアと共に歩んで欲しいと願っておる。隣にいるのが息子のトアだ。」
この人が今日から私の旦那になられるお方。
想像していたよりもずっとお優しそうな顔をしていた。
「トア様。初めてお目にかかります。ヘヨンでございます。」
「ヘヨン。異国の地で大変かと思うが、支え合っていこう。」
彼は、私に笑顔を向けてくれた。
正直今まで不安だった。
ジェヒョンからトア様は、人柄の良い方だと聞いてはいたが、確信が持てなかった。
でもそんな不安とは裏腹に本当に誠実そうなお方だった。
敵だらけのこの国で上手くやっていけるか不安だったが、その不安が和らいだ気がした。
だがその安心も束の間。
トア様のお隣にいらっしゃる女性が私を睨みつけていることに気づいた。
その女性が口を開いた。
「この小娘は、敵国の王女なのよ。いつ裏切るか分からないわ。」
王妃は、私がトア様と結婚するのに反対しているようだ。
それもそうだろう。
敵国の王女がこの土地に足を踏み入れているのだから。
「それにお隣に同年代の綺麗な男を侍らせているではありませんか。この方はどなたなの?」
王妃のその言葉に私は、こう返した。
「この者は、私の護衛をしているジェヒョンでございます。もし私に何かあったとき命懸けで守る契約を交わしているだけです。なので王妃が心配されているようなことは、一切ありません。」
私がそう言うと、その場にいた人々が驚いた顔をしていた。
「王妃。君も初めてこの地に来た時は、文化の違いに苦しんでいただろう。」
王がそう言うと、
「そ、そうでございますね。」
と言い、俯いた。
婚礼は、明日行われることになった。
王がこれから私の身の回りの世話をしてくれる女官の方々を紹介してくださった。
この地に残って良いと許されたのは、ジェヒョンだけだった。
本当は、ジェヒョンも来ることを許されなかったらしいが、結婚の交換条件として受理されたそうだ。
これからこの敵だらけの国で上手くやっていけるのだろうか。
「では私は、施設内の経路を確認して参ります。ヘヨン様、また後程。」
そう言ってジェヒョンは、私の元を離れた。