王女✖️護衛の禁断の恋〜私を憎んでいる彼を愛してしまいました
ep7
ジェヒョンがどこに行ったのか気になった私は、彼のあとを追った。
そうすると、彼が何者かとぶつかったのが見えた。
ジェヒョンとぶつかった者は、大きな米を抱えていた。
頭にはバンダナ、布がひどく破れている衣服を身に纏ったジェヒョンと同世代であろう少年。
明日の婚礼の手伝いに来ていた農民のようだった。
「申し訳ございません。お怪我はありませんか。」
米を落とした彼がジェヒョンに話しかけると、ジェヒョンは、衝撃的な言葉を口にしたのだ。
「も、もしかしてウヨンか?」
そう言うと、彼は、驚いた顔をしながら、
「は、はい。私の名前は、ウヨンですが、どこかでお会いしたことありましたか?」
と尋ねた。
そう答えると、ジェヒョンは、彼を抱きしめた。
そしてこう言葉をかけたのだ。
「ウ、ウヨン、生きていたのか。」
これまで15年間そばにいて彼のこんな表情を見たことがなかった。
ジェヒョンは、ウヨンと呼ばれていた者が潰れてしまうのではないかと思うほど強い力で抱きしめながら目には涙を浮かべていた。
そんなジェヒョンの姿を見たウヨンは、何かを察したようだった。
「もしかしてあ、兄上ですか?ジェヒョン兄さん?」
その問いに、ジェヒョンは、静かに頷いた。
私は、驚いた。
彼に弟がいたなんて。
15年間そばにいたのに、知らなかった。
彼は、私の全てを知っているのに、私は、彼について何も知らない。
そのことを突きつけられたようだ。
私は、その場でしばらく2人の会話を聞くことにした。
「何でこんなところにいるんだ?別れたのは、たしかカルミヤの土地だったよな。」
「兄上と別れたあと、食べるものがなくて森の中倒れていた僕を出稼ぎに来ていたトリカブトに住んでいる農民の人が見つけてくれたんだ。」
「そうか。君が元気で今も生きていることが知れてよかった。僕があの時した決断は間違っていなかった。」
「僕ももう一度兄上に会うことができて良かった。僕は、ずっと後悔してた。あの時お兄さんにあの選択をさせてしまったことを。」
「ウヨン、何してるんだ、急げ。」
2人の会話を注意深く耳を澄まして聞いていたが、彼と全く同じ格好をした中年男性の声が聞こえてきた。
「はい!今すぐ行きます。」
「兄上、私もう行かなくては。」
「ああ。しばらくこの地にいることになった。また会えるだろう。」
「本当ですか。またここで。必ず会いましょう。」
彼は、そう言って、背中にお米を担いでいる中年男性と共にその場を立ち去った。
ずっとジェヒョンの過去については、不思議に思っていた。
ジェヒョンは、15年前のあの日、突然父に連れられ、私の護衛となった。
それからずっと彼が何者かは、知らなかった。
知らなかったというより、知りたくなかった。
彼が私や父に向けられた言葉とは裏腹に目の奥が笑っていない理由を見ないふりをしてきた。
15年間、私がウヨンと全く会ったことがないということは、
ジェヒョンとウヨンは、15年前に何らかの理由で別れることになった。
そして、ジェヒョンは、カルミヤ王国で私の護衛として、
ウヨンは、トリカブト王国で農民として生きている。
ジェヒョンがあの時した決断は、何だったんだろう?
2人が出会ったことで何かが動き出す予感がした。
そうすると、彼が何者かとぶつかったのが見えた。
ジェヒョンとぶつかった者は、大きな米を抱えていた。
頭にはバンダナ、布がひどく破れている衣服を身に纏ったジェヒョンと同世代であろう少年。
明日の婚礼の手伝いに来ていた農民のようだった。
「申し訳ございません。お怪我はありませんか。」
米を落とした彼がジェヒョンに話しかけると、ジェヒョンは、衝撃的な言葉を口にしたのだ。
「も、もしかしてウヨンか?」
そう言うと、彼は、驚いた顔をしながら、
「は、はい。私の名前は、ウヨンですが、どこかでお会いしたことありましたか?」
と尋ねた。
そう答えると、ジェヒョンは、彼を抱きしめた。
そしてこう言葉をかけたのだ。
「ウ、ウヨン、生きていたのか。」
これまで15年間そばにいて彼のこんな表情を見たことがなかった。
ジェヒョンは、ウヨンと呼ばれていた者が潰れてしまうのではないかと思うほど強い力で抱きしめながら目には涙を浮かべていた。
そんなジェヒョンの姿を見たウヨンは、何かを察したようだった。
「もしかしてあ、兄上ですか?ジェヒョン兄さん?」
その問いに、ジェヒョンは、静かに頷いた。
私は、驚いた。
彼に弟がいたなんて。
15年間そばにいたのに、知らなかった。
彼は、私の全てを知っているのに、私は、彼について何も知らない。
そのことを突きつけられたようだ。
私は、その場でしばらく2人の会話を聞くことにした。
「何でこんなところにいるんだ?別れたのは、たしかカルミヤの土地だったよな。」
「兄上と別れたあと、食べるものがなくて森の中倒れていた僕を出稼ぎに来ていたトリカブトに住んでいる農民の人が見つけてくれたんだ。」
「そうか。君が元気で今も生きていることが知れてよかった。僕があの時した決断は間違っていなかった。」
「僕ももう一度兄上に会うことができて良かった。僕は、ずっと後悔してた。あの時お兄さんにあの選択をさせてしまったことを。」
「ウヨン、何してるんだ、急げ。」
2人の会話を注意深く耳を澄まして聞いていたが、彼と全く同じ格好をした中年男性の声が聞こえてきた。
「はい!今すぐ行きます。」
「兄上、私もう行かなくては。」
「ああ。しばらくこの地にいることになった。また会えるだろう。」
「本当ですか。またここで。必ず会いましょう。」
彼は、そう言って、背中にお米を担いでいる中年男性と共にその場を立ち去った。
ずっとジェヒョンの過去については、不思議に思っていた。
ジェヒョンは、15年前のあの日、突然父に連れられ、私の護衛となった。
それからずっと彼が何者かは、知らなかった。
知らなかったというより、知りたくなかった。
彼が私や父に向けられた言葉とは裏腹に目の奥が笑っていない理由を見ないふりをしてきた。
15年間、私がウヨンと全く会ったことがないということは、
ジェヒョンとウヨンは、15年前に何らかの理由で別れることになった。
そして、ジェヒョンは、カルミヤ王国で私の護衛として、
ウヨンは、トリカブト王国で農民として生きている。
ジェヒョンがあの時した決断は、何だったんだろう?
2人が出会ったことで何かが動き出す予感がした。