王女✖️護衛の禁断の恋〜私を憎んでいる彼を愛してしまいました
ep9
次の日、女官たちが慌しく走り回っている音で目を覚ました。
「ヘヨン様、お目覚めでしょうか?」
私を起こす担当を担っている女官が緊迫した表情をしていた。
「皆はなぜこんなに慌しいのだ?」
「なんと王妃様がこちらのお屋敷まで来られています。」
私は、慌てて身体を起こし、身なりを正した。
「皇太子妃、よくお眠りになられたようで良かった。」
王妃は、嫌味とも取れるような言葉を私にかけた。
こんなにも早い時間であるにも関わらず、王妃は、完璧な身なりをしていた。
それに比べ、私の身なりは、ひどいものだった。
「そなたの国ではどうであったかは、分からないが、こちらの国では、午前5時までに目覚めなければならない。それが皇太子妃の努めだ。」
カルミヤの国では、王女だった私。
女官が身の回りのことを全てしてくれていた。
そのため朝の5時に起きたことなどなかったのだ。
「それだけではない。午前5時からは、王のための食事準備を手伝わなければならない。わかったか?」
「わかりました。」