あの夏、確かにそこには恋があった

はじまり

やっと高校の広い校舎と新しいクラス、小難しい授業にも慣れてきたころ、葉山優香、そう、私は入部式に参加していた。
私のお目当ての部活は、中学から続けている水泳部。

地元は小さい地域だから、他中出身でも知り合いが多く、水泳部のメンバーもそれは例外ではない。

顔見知りばっかりの入部式、横の岡山壮二がギャグ交じりの自己紹介をする中、私は三年間どれだけ部活で成績を伸ばせるかそればかり気にっていた。




部活の時間が始まり、プールサイドで体操をしていたとき、
プールの入り口の門から、颯爽と入ってくる男子がいた。

そう、彼はのちに私の忘れられない人になる。



「もう部活始まってますか?」とそういいながら入ってきた彼。

部員も顧問もきょとんとした表情で彼を見つめていた

「一年一組白洲隼人です、今日から、よろしくお願いします。」
 


整った顔も目に入ったが、正直言って

なんだこの人、それが第一印象だった。
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