あの夏、確かにそこには恋があった

グループチャット

白洲隼人は、入部式の時には山岳部に入りたかったらしい。
入部希望者があまりに多く、幼いころやっていた水泳部に入ることに決めたのだそうだ。

何でこんなに詳しく知っているのか。そこには私の中学からの友人で同じ水泳部の今田大樹が関わっている。
私と、隼人、今田の三人でグループチャットをすることになって、いろいろ話を聞く機会があったのだ。



今田は女の子が恋愛対象だが、女の子の友達が多く、また、人見知りなのに最初から距離を詰めようとするタイプだった。
隼人と今田、そこに私は加わって仲介役を担っていた。


三人で話すのはとても楽しかった

大雨で学校が休校になった日には、変顔の写真を送らせたり、
部活の後には三人でコーラの早飲み対決をしたり

そのうち、私と隼人は個人チャットも始めることになった
私は隼人のことをどんどん知るようになった


隼人の好きな色は青で、よくスマホゲームをしていること。

彼は犬を飼っていて、その犬を何より大事にしていること。名前はラッキー。

彼は格闘技の試合が好きで、ゴールデンウィークには友達とプロレスを見に行ったこと。

そして、誕生日は９月５日で、A型なこと。


毎日毎日、放課後時間があればチャットした。

その日のことや、彼のこと、恋愛とかなーんでも。

彼との距離はどんどん近くなっていった。

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