小悪魔と仮面舞踏会

私はそれを確認するとパッと手を離した…

宮沢の頬には私の爪痕がしっかり残っている…

宮沢はつねられていた頬をさすって

涙目で私をみると

「じゃあ今から買ってくるから…」

そう言った…

そして私に背を向ける宮沢…

そんな宮沢を

『ちょっと待ちなさい?』

そう言って呼び止める私…

宮沢はゆっくり

おそるおそるという感じで振り向く…

『今アナタなんて言った?』

「へっ!?」

『だからなんて言ったの?同じことを言わせないで頂戴!!』

私が睨みを利かせてそう言うと

「ひぃっ!!今から買ってくるって言いました…」

と弱々しく言った…

『買ってくるじゃないでしょ?』

「へっ!?」

『“買ってきます”か“買って参ります”でしょ?なに私と対等に話してるのよ?』

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