小悪魔と仮面舞踏会

ガタン

そんな音が聞こえたかと思うと

「松山…来て」

なんだか不機嫌な顔をした宮沢がそう私に声をかけてきた。

ガタンという音は宮沢が席を立った音だった。

何不機嫌になってんの?

私はとりあえず小さく笑みを浮かべて

『何の用かしら?あなたのトリマキ寂しがってるわよ?相手しないと。私も今みんなと色々話してるし。』

宮沢の居なくなった席を寂しそうに取り囲んでるトリマキを指差して言う。

きっとそのうち

私へと冷たい目を向けてくるだろう。

「とにかく来て。」

それだけ言うと私が何か言う前に後ろに回り込んできた。

そして

私が振り向こうとする前にひょいと持ち上げた。

私を…。

みんなの前で…。

当然ざわつきだすクラス

顔には出してないけど

私自身すごく驚いてるし
戸惑っている。

はた目からはそんな風には絶対見えないだろうけど。

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