小悪魔と仮面舞踏会

そして

まっすぐ真剣な瞳で私を見つめてきた…

今まで見たことがない宮沢の顔に

不覚にもドキッとしてしまった。

それから宮沢は一呼吸おいて口を開いた…

「松山…お前が俺のこと好きじゃないのは知ってる。だけど…なんで急に素顔出してんだ?本当のお前の姿を…なんで?」

『…別に。暇つぶしよ』

宮沢から目を背けてサラッと言った。

「暇つぶし?松山…お前あの地味な格好で男をオトすのが楽しかったんじゃなかったのか!?ギャップでオトすのが…。」

『うるさいわね!!』

ついヤケクソになってしまった。

いつもの私じゃ絶対にありえない。

こんな感情的に大声で何かを言うなんて…。

なんたる失態…

小悪魔な私が

小悪魔であっての私が

宮沢のせいで

ドMの宮沢のせいで

たった1人の男のせいで

崩れていく…。

< 436 / 511 >

この作品をシェア

pagetop