小悪魔と仮面舞踏会

「だからって訳じゃないけど、色々事情があって中学卒業したら引っ越すことになったの。前々から決まってたことだったし。」

ってことは…

『引っ越し先がココだったわけ?』

だよな?

松山は静かに頷くと

「実瑚は私が逃げ出したように見えたから私を追いかけてこの学校に転入までしてきたんだと思う。でも引っ越すことは前から決まってたし分かってたことだったの。」

そう口を開いた…

わざわざ転入までして…

ご苦労なこったなぁ。

そんなバカみたいに感心していると

「多分…」

松山がまたも口を開いた…

綺麗な横顔に見とれる

桜色の綺麗な唇が動く

すべてに目を奪われる

瞬きさえも奪われる

「実瑚は何かまた企んでると思う。私を追って来たんだから。」

すると

「分かってんじゃない?」

俺らの座っているベンチの後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

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