小悪魔と仮面舞踏会

『とっとにかく落ち着け?2人とも!な?』

緊張しながら口を開く俺

目の前の松山にはドキドキして

後ろの牧原にはヒヤヒヤしている

「…。」

「…。」

『…。』

松山からの無言の眼差しが…痛い。

牧原からの無言の視線が…痛い。

何よりもこの沈黙が一番痛い。

誰でも良いから

とりあえず

何か言ってくれよ。

そう心の中で祈っていると

「宮沢…は何も感じなかったの?」

俺の後ろから声が聞こえた。

なんかもう呼び捨てにされてるし…。

俺も呼び捨てにしてっけど…。

『何もって?』

体ごと振り向き

牧原と向かい合わせになる

「私が車の中で話したことに関してよ。教えたでしょ?瑠美音の秘密」

『あぁ』

「そのことに関して変だとか異常だとか思わないわけ?」

腕を組みなんだかイライラした様子で

迫るように聞いてくる

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