小悪魔と仮面舞踏会

ぶたれた頬を手で抑え松山を見つめる

「へっ変なこと口走ってんじゃないわよ!!」

そう言って細くて長い脚と腕を組んで再びベンチに座る。

確かに痛いけど…

なんか、気分最高だぁ!!

俺…変態みてぇだな(汗)

まぁ、ドMだしな。(笑)

「瑠美音…変わったね」

突然後ろからそんな声が聞こえてきた。

「実瑚…?」

眉間にシワを寄せて牧原に目を向ける松山

「そんなに感情的になってる瑠美音の姿…見たことない。」

どんな顔をしてるのか分からないけど寂しそうな声だった

「私が間違ってたんだよね…。親友とか友達だとか言っておきながら結局は自分が一番だった…。瑠美音のことなんか考えてなかった。今までありがとう…そしてごめんなさい。」

そう言うと走り去った…。

「実瑚…」

足音がだんだん遠ざかり小さくなる。

松山はずっと牧原の名前を呼び姿が見えなくなるまで

牧原の後ろ姿を見つめていた。

俺も振り返り牧原の後ろ姿を見つめる。

牧原なりに反省してたんかな?

素直に反省なんてできなかったんだよな?

なんせプライドが高いから…。

プライドが邪魔して牧原をどんどん悪い方へと追い込んでったんだ…。

だから素直になれなかった。

あれは牧原なりの精一杯の謝罪とけじめだろう。

多分牧原はもう松山に何かしでかしたりはしねぇだろう。

少なくとも俺はそう思った。

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