小悪魔と仮面舞踏会
「実瑚…何考えてんのかしら?」
牧原が公園から出てしばらくすると松山が真剣な顔をしてそう口を開いた
『何考えてるって?』
「だって、あの実瑚が私に謝ったりお礼を言ったり…信じらんないわ…」
松山が疑うのも無理はねぇよな…。
でも
『アレが牧原なりの精一杯の謝罪とけじめだよ』
そう口を開いて再び松山の隣に座った。
「謝罪とけじめねぇ…どういう風の吹き回しかしら?(笑)」
そう言って微笑(ワラ)った松山の表情は
とても暖かくて優しくて綺麗で天使みたいだった。
いつもは背中に黒い翼を纏って小悪魔な笑みを浮かべているのに
今日は背中に真っ白い翼を纏って天使みたいな笑みを浮かべている…。
「宮沢…」
『ん?』
チュッ
頬に確かに感じた何か柔らかい感触と
その柔らかい何かが離れた小さな音
えっ!?
隣に居る松山に目を向ける
「御褒美よ!喜びなさい。」
バッチリウインクをしてそう言ってきた。
やっぱり気のせいなんかじゃなかった…。
松山は確かに俺に…
俺の頬に…
キスしたんだ!
ぶたれた頬に…。
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ドクンドクン
心臓の動きが速くなる。
頬が熱を上げる。
「じゃあね!」
松山はベンチから立ち上がりそう手を振り帰ろうとした。
でも…
グイッ
チュッ
俺も松山の頬に
キスをした…。
『じっじゃあな///』
目を逸らして言う
そんな俺に小さく笑い
松山は公園を出て行った。