桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 そのあとは小さな教会に立ち寄り、近くのカフェで休憩する。

 地元の人にとっては何気ない日常だろうが、行き交う人達を見ているだけでも新鮮だった。

 「じゃじゃーん。アウトドアグッズ!」
 
 車で広い公園に移動してから、仁がおもむろにトランクから何かを取り出した。

 「何それ?何が入ってるの?」
 
 仁が手にしている大きなバスケットを見て絵梨が聞く。

 「フォレストガーデンのクラタスポーツで借りられるぜ。ピクニックのお供」
 
 そう言うと仁は、少し歩いてから芝生の上にバスケットを置いた。
 中からまず大きなレジャーシートを取り出して広げる。

 「おお!いいね」
 早速絵梨が座る。

 「あ、このシートふかふかする」
 「ほんと。それに暖かい素材だね」
 美桜も隣に座って、シートを撫でる。

 「冬だからね、冷えないように。ほら、ブランケットもあるよ」
 すごーい!と二人で喜んで、膝に掛ける。

 「あとは、バドミントンセットとか、フリスビーなんかもあるよ」
 「へえ、クラタスポーツやるね」

 絵梨が親指を立てると、へへんと仁は胸を反らせた。
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