桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
「まあ、美桜様。どちらにいらっしゃったのですか?」
「あ、ちょっとぶらぶらしてただけよ」
廊下の角を曲がったところでクレアとぶつかりそうになり、美桜は慌てて取り繕った。
クレアは首をひねって疑いの目を向けてくる。
メイソン達と別れて広間でお茶を飲んでいた時に、ケーキをサーブしてくれたフレディが、料亭で習った和食の味付けがどうも再現出来ないとこぼし、美桜はこっそりクレアの目を盗んで厨房に行ったのだった。
用事を済ませて広間に戻ったクレアは、美桜がいないことにさぞかしびっくりしただろう。
「ごめんなさい、急にいなくなって」
美桜が謝ると、クレアは、いえ、そんなと恐縮した。
「それより、そろそろ昼食の時間ですわ。旦那様や坊ちゃまも間もなく広間にいらっしゃいます」
「そうね、急ぎましょ」
二人で肩を並べて歩き出した。
「あ、ちょっとぶらぶらしてただけよ」
廊下の角を曲がったところでクレアとぶつかりそうになり、美桜は慌てて取り繕った。
クレアは首をひねって疑いの目を向けてくる。
メイソン達と別れて広間でお茶を飲んでいた時に、ケーキをサーブしてくれたフレディが、料亭で習った和食の味付けがどうも再現出来ないとこぼし、美桜はこっそりクレアの目を盗んで厨房に行ったのだった。
用事を済ませて広間に戻ったクレアは、美桜がいないことにさぞかしびっくりしただろう。
「ごめんなさい、急にいなくなって」
美桜が謝ると、クレアは、いえ、そんなと恐縮した。
「それより、そろそろ昼食の時間ですわ。旦那様や坊ちゃまも間もなく広間にいらっしゃいます」
「そうね、急ぎましょ」
二人で肩を並べて歩き出した。