桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
(…お別れを言わなくちゃ)
下を向いて少し息を吸ってから、美桜は顔を上げてアレンを見た。
「アレン、本当に色々とありがとう」
「こちらこそ。ありがとう、美桜」
「お父様や、クレア、パレスのみんなにもよろしく伝えてね。メアリーやリサ達にも」
「ああ、分かった」
「あと、どんなに忙しくても、きちんと食事と睡眠は取ってね」
「うん、分かってる」
そこで会話は途切れた。
周りのざわめきや行き交う人達の流れ…。
二人はそれに溶け込めず、別次元に取り残されたかのようだ。
「…もう行かなきゃ」
「うん」
やがて美桜はそっと右手を差し出した。
アレンも同じように右手を出して握る。
(温かいアレンの手の温もり。覚えておこう。決して忘れないように)
美桜はきゅっと大事そうにアレンの手をもう一度握ると、そっと手を緩めた。
その時だった。
下を向いて少し息を吸ってから、美桜は顔を上げてアレンを見た。
「アレン、本当に色々とありがとう」
「こちらこそ。ありがとう、美桜」
「お父様や、クレア、パレスのみんなにもよろしく伝えてね。メアリーやリサ達にも」
「ああ、分かった」
「あと、どんなに忙しくても、きちんと食事と睡眠は取ってね」
「うん、分かってる」
そこで会話は途切れた。
周りのざわめきや行き交う人達の流れ…。
二人はそれに溶け込めず、別次元に取り残されたかのようだ。
「…もう行かなきゃ」
「うん」
やがて美桜はそっと右手を差し出した。
アレンも同じように右手を出して握る。
(温かいアレンの手の温もり。覚えておこう。決して忘れないように)
美桜はきゅっと大事そうにアレンの手をもう一度握ると、そっと手を緩めた。
その時だった。