桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
アレンがいきなりぐっと力を込めたかと思うと、そのままつないだ右手を引き寄せた。
思わずバランスを崩して前に倒れそうになった美桜は、気付くとアレンの大きな腕の中にいた。
(え?アレン…)
どうしたの、と聞こうとした美桜の耳元で、アレンのかすれた声が聞こえた。
「ごめん」
まるで絞り出すかのように、苦し気に、
「ごめん、美桜。ごめん」
何度もそう謝る。
どうして謝るの?そう聞こうとした。
けれど実際の美桜は、
「ううん」
そう言って首を振るだけだった。
アレンはより一層美桜を強く抱きしめる。
少し肩を震わせているのが、美桜にも分かった。
切なさや悲しさ、アレンの言葉に出来ない気持ちも伝わってきて、美桜の心の奥をギュッと締め付ける。
(考えちゃいけない。アレンの気持ちも自分の気持ちも。考えちゃダメ)
まるで呪文のように、何度も美桜の頭の中をその言葉が駆け巡る。
思わずバランスを崩して前に倒れそうになった美桜は、気付くとアレンの大きな腕の中にいた。
(え?アレン…)
どうしたの、と聞こうとした美桜の耳元で、アレンのかすれた声が聞こえた。
「ごめん」
まるで絞り出すかのように、苦し気に、
「ごめん、美桜。ごめん」
何度もそう謝る。
どうして謝るの?そう聞こうとした。
けれど実際の美桜は、
「ううん」
そう言って首を振るだけだった。
アレンはより一層美桜を強く抱きしめる。
少し肩を震わせているのが、美桜にも分かった。
切なさや悲しさ、アレンの言葉に出来ない気持ちも伝わってきて、美桜の心の奥をギュッと締め付ける。
(考えちゃいけない。アレンの気持ちも自分の気持ちも。考えちゃダメ)
まるで呪文のように、何度も美桜の頭の中をその言葉が駆け巡る。