桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
「私ね、アレン。ずっと自分の気持ちを考えないようにしてきたの。空港で別れた時もそう。だから、日本に帰ってきてからも、アレンのことは思い出さなかった。それが自分の本心なんだ、アレンのことは考えなくても平気なんだ、そう思ってた。毎日が穏やかに過ぎていって、これが私の暮らしなんだって。でも昨日いきなり仕事帰りにお父様が現れて、イギリス行のチケットを渡されたの。もしイギリスに行きたければ、明日この飛行機に乗ればいいって。私、頭の中が混乱しちゃって、そんなの無理って思った。仕事だってあるし、明日なんていきなり言われてもって。でも、でもね」
美桜は、ゆっくり記憶をたどる。
「お父様の言葉がどうしても頭から離れなかったの。ただ行きたい、その気持ちがあればそれで充分だって。そしたらね、心の奥底で、行きたい!って叫んでる自分に気付いたの。今までずっと抑え込んで、気づかないふりしてた自分の本当の気持ち」
美桜は微笑んでアレンを見つめる。
美桜は、ゆっくり記憶をたどる。
「お父様の言葉がどうしても頭から離れなかったの。ただ行きたい、その気持ちがあればそれで充分だって。そしたらね、心の奥底で、行きたい!って叫んでる自分に気付いたの。今までずっと抑え込んで、気づかないふりしてた自分の本当の気持ち」
美桜は微笑んでアレンを見つめる。