桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 「うー、頭がくらくらする」

 更衣室に戻ってタオルで体を拭きながら、美桜は、あんなにはしゃぐんじゃなかったと後悔する。

 バスローブを着てドレッサーの前に座り、近くに置いてあった冷たいミネラルウォーターを飲むと、ようやく頭がすっきりした。

 と、さっき脱いだ服を入れたはずのカゴが見当たらない。

 「あれ?どこいったんだろう。私の服」

 辺りを探していると、ドアの向こうからリサの声がした。

 「|Excuse me.ミオ、ダイジョウブデスカ?」
 「あ。はい、大丈夫。あの、私の服はどこ?」

 そう言いながらドアを開けると、リサは、
 「フクネ。クリーニングシテマス。デハコチラヘ」

 にっこり笑いながら再び美桜の手を取って歩き出す。

 美桜はもういちいち考えることをやめて、それに従うことにした。
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