桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
(わあ、ふかふか!コーヒー置いてからで良かった)

カップを手に持ったまま座っていたら、予想以上に沈み込むソファにコーヒーをこぼしてしまっていただろう。

手を伸ばしてカップを取り、ゆっくりとミルク多めのコーヒーを飲む。
体が温まり、思わず美桜はふうと息を吐きながらソファに背を預けた。

(なんだか不思議だなあ、昨日までの日常が嘘みたい)

なにもかもが違う世界に迷い込んだ気がする。

時間の流れ方も違うかのように、ゆっくりとコーヒーを味わった。
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