桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
【二】一月八日
 それからはあっという間だった。

 飛行機取れたぞーと仁が知らせてくると、美桜は急いで荷造りを始めた。

 新春ショーが終わるのが一月七日。
 その翌日にはイギリスに出発だ。

 ばたばたと決まったこととはいえ、実際に準備していると、期待で胸がわくわくしてくる。

 (またあの四人で集まるんだ。絶対楽しいはず!)
 
 とはいえ仕事も大事な局面、旅行にばかり気を取られる訳にはいかない。

 クリスマスのショーはもう始まっているし、それが終わればすぐにカウントダウンと新春ショーのリハーサルが待っている。

 しかも大みそかは泊まり込みだ。

 長いスパンでやるショーより、短期間でめまぐるしく内容が変わるこの時期の方が、頭も体もフル回転で疲れる。

 なんとか集中力で乗り切ったものの、イギリス出発時はふらふらだった。

 飛行機の中では、食事来たよ!と絵梨に起こされて食べる以外、ずっと爆睡していた。
 
 夕暮れに到着したヒースロー空港には、アレンが手配してくれた車が待っていると聞いていたが、思えばそこからおかしかった。
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