桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
美桜の戸惑いをよそに、クレアは廊下の壁に突如現れた大きな扉を開けた。
「ええー!何、ここ。すごい…」
まさに緑あふれるガーデンが、一瞬で目の前に広がったのだ。
「どういうことなの?だってまだ外に出ていないのに」
驚きのあまり声がかすれる美桜に、クレアが丁寧に説明してくれた。
パレスは四つの棟で出来ており、長方形を描くように並んだ棟の中央の空間が、このガーデンなのだと。
言わば学校の中庭のような感じだが、大きな特徴は、ガーデン全体が温室であること、そして天井がガラスになっていることだった。
広さは、それこそ学校の校庭くらいあるだろう。
そこが一面、色とりどりの花や緑で溢れている。
天井は、二階部分まであるだろうか。
降り注ぐ太陽の光に目を細めながら見上げると、ガラス屋根は大きな三角形になっていて、ガーデンの隅々までキラキラと明るさをもたらしている。
「こんなふうになっていたなんて。全く気が付かなかったわ」
「ええ。ここはプライベート空間として目に付かないように、廊下からはすりガラスやステンドグラスで見えないようになっています」
なるほどと納得しながら、美桜はおずおずと歩み出した。
温室特有の温かく湿った空気、そして何と言っても花や緑のみずみずしさを感じ、思わず深呼吸する。
「なんて素敵なところなの」
そう言うのが精いっぱい、あとはただ言葉も忘れてひたすらガーデンを見て回る。
「ええー!何、ここ。すごい…」
まさに緑あふれるガーデンが、一瞬で目の前に広がったのだ。
「どういうことなの?だってまだ外に出ていないのに」
驚きのあまり声がかすれる美桜に、クレアが丁寧に説明してくれた。
パレスは四つの棟で出来ており、長方形を描くように並んだ棟の中央の空間が、このガーデンなのだと。
言わば学校の中庭のような感じだが、大きな特徴は、ガーデン全体が温室であること、そして天井がガラスになっていることだった。
広さは、それこそ学校の校庭くらいあるだろう。
そこが一面、色とりどりの花や緑で溢れている。
天井は、二階部分まであるだろうか。
降り注ぐ太陽の光に目を細めながら見上げると、ガラス屋根は大きな三角形になっていて、ガーデンの隅々までキラキラと明るさをもたらしている。
「こんなふうになっていたなんて。全く気が付かなかったわ」
「ええ。ここはプライベート空間として目に付かないように、廊下からはすりガラスやステンドグラスで見えないようになっています」
なるほどと納得しながら、美桜はおずおずと歩み出した。
温室特有の温かく湿った空気、そして何と言っても花や緑のみずみずしさを感じ、思わず深呼吸する。
「なんて素敵なところなの」
そう言うのが精いっぱい、あとはただ言葉も忘れてひたすらガーデンを見て回る。