桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
ところどころに小川やため池があり、覗き込むと小さな魚が泳いでいる。
飛び石をわざと大きく飛んで渡ると、美桜は楽しさのあまりクレアを振り返って笑った。
その様子にクレアも思わず微笑む。
ガーデンのちょうど真ん中は少し小高くなっており、ベンチやテーブルなどもあった。
「ここでケーキやお茶も召し上がれますよ」
「ああ、それとっても素敵ね」
クレアの言葉に美桜はうっとりする。
「もうなんだったら、私ここに泊まりたいわ」
「ええ?まあ、美桜様ったら」
冗談ととらえたのか、クレアが可笑しそうに笑う。
「本当よ。だって想像してみて。夜になったら月の光が降り注ぐでしょう?その中で眠るのよ。そして朝日を浴びて目が覚めるの。そんな素敵なことある?」
「それは確かにそうですわね」
クレアは真顔に戻って頷いた。
「でしょう?あー、寝袋持ってきたーい」
「まあ、それはさすがに」
苦笑してからクレアはもう少し先まで美桜を案内した。
「このガーデンは、色々な花が植えてありますけれど、一番多いのはバラです。ありとあらゆる種類のバラを育てています。旦那様が提案してこのガーデンを作らせたのですわ。ゆりえ様のために。ゆりえ様はとても喜んでいらして、毎日ここで何時間もお過ごしでした。ローズガーデンと呼んでいらして」
「ローズガーデン!ここにぴったりね」
「ええ。もう少しすると、たくさんのバラが咲き始めますわ」
その頃にも見てみたいなあと思いながら、美桜はもう一度じっくり見渡してみた。
(アレンのお母様はきっと、音楽と花に溢れた幸せな日々をここで過ごされたのだろうな)
ふと、小鳥のさえずりまで聞こえてきて、空耳かと思っていたら、すぐ近くを飛んでいてびっくりする。
「小鳥までいるのね?」
「そうなんですの。ゆりえ様は動物もお好きでしたから」
ふふっと優しげに笑うクレアに、なんだか美桜の心も温かくなる気がした。
飛び石をわざと大きく飛んで渡ると、美桜は楽しさのあまりクレアを振り返って笑った。
その様子にクレアも思わず微笑む。
ガーデンのちょうど真ん中は少し小高くなっており、ベンチやテーブルなどもあった。
「ここでケーキやお茶も召し上がれますよ」
「ああ、それとっても素敵ね」
クレアの言葉に美桜はうっとりする。
「もうなんだったら、私ここに泊まりたいわ」
「ええ?まあ、美桜様ったら」
冗談ととらえたのか、クレアが可笑しそうに笑う。
「本当よ。だって想像してみて。夜になったら月の光が降り注ぐでしょう?その中で眠るのよ。そして朝日を浴びて目が覚めるの。そんな素敵なことある?」
「それは確かにそうですわね」
クレアは真顔に戻って頷いた。
「でしょう?あー、寝袋持ってきたーい」
「まあ、それはさすがに」
苦笑してからクレアはもう少し先まで美桜を案内した。
「このガーデンは、色々な花が植えてありますけれど、一番多いのはバラです。ありとあらゆる種類のバラを育てています。旦那様が提案してこのガーデンを作らせたのですわ。ゆりえ様のために。ゆりえ様はとても喜んでいらして、毎日ここで何時間もお過ごしでした。ローズガーデンと呼んでいらして」
「ローズガーデン!ここにぴったりね」
「ええ。もう少しすると、たくさんのバラが咲き始めますわ」
その頃にも見てみたいなあと思いながら、美桜はもう一度じっくり見渡してみた。
(アレンのお母様はきっと、音楽と花に溢れた幸せな日々をここで過ごされたのだろうな)
ふと、小鳥のさえずりまで聞こえてきて、空耳かと思っていたら、すぐ近くを飛んでいてびっくりする。
「小鳥までいるのね?」
「そうなんですの。ゆりえ様は動物もお好きでしたから」
ふふっと優しげに笑うクレアに、なんだか美桜の心も温かくなる気がした。